もはや、八百長は厳禁とあって、今場所は各力士の真の実力が問われることとなった。
そんななかで、現在6連覇中の横綱・白鵬(宮城野)も、一部週刊誌で八百長疑惑をかけられていたが、初日から5月17日の10日目まで無傷の10連勝。10日目には“ガチンコ力士”として定評のある2連敗中の天敵、関脇・稀勢の里(鳴戸)も破り溜飲を下げた。この後、上位陣との取組を残しているが、今場所の相撲を見るかぎり、大崩れはなさそうで、八百長疑惑を一掃した感あり。
片や、複数の週刊誌誌上で八百長疑惑報道が絶えなかった大関・琴欧洲(佐渡ケ嶽)は、平幕相手に5連敗を喫するなど、10日目まで3勝7敗の惨状。勝ち越すためには、ひとつも落とせない剣が峰に立たされた。
その琴欧州は11日目となる18日、休場届けを提出。今場所の負け越しが決定し、来場所は3度目のカド番を迎える。休場理由は右ひざ内側側副じん帯損傷及び右膝蓋大腿関節症で、全治3週間と診断されたため。9日目の隠岐の海(八角)戦で古傷のある右ひざを強打したもの。10日目は強行出場したが、7敗となりギブアップした形。
少なくとも、負傷した9日目までは万全で臨んだはずで、格下相手に3勝6敗の星は、「ガチンコで弱かった」とのレッテルを貼られても致し方ないところ。ガチンコ場所でのこの成績は、またぞろ、八百長疑惑が噴出してしまいかねない。この悪評を払しょくするには、来場所での奮起しかない。
(落合一郎)