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本当にあった怖い彼氏(9)〜恋人の家で流された戦慄ミュージック〜

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画像はイメージです。

 恋人の家を訪れた際、相手が部屋でどんな音楽を掛けるかで、その人物のセンスが印象付けられる。真奈さん(仮名・22歳)は、彼氏の部屋へ初めて行った時、想像もしなかった音楽を流されたという。

 「今まで何度か外でデートを重ねていたのですが、彼の家に行くのはその日が初めてでした。部屋にはテレビもなく、最低限の家具、そしてCDコンポが設置してありました。それと彼と2人きりになるわけですから、あらかじめ色々な覚悟もしていましたね」

 真奈さんは、彼氏と軽い世間話をした後、次第に2人は身を寄せ合ったという。しかしその時、彼が流した音楽に真奈さんは戦慄した。

 「キスをした後、彼が『音楽をかけるね』とCDコンポのスイッチを入れました。するとそこから流れてきたのは、ピンポンパンポーンというコンビニ等に入る時に鳴る入場音だったのです。さらにその後もバイクの音や救急車の音、踏切の音などの環境音がひたすら続きました」

 ムードも何もないそのSEの羅列に思わず真奈さんは『これ何?』と彼氏に聞いた。すると相手から返ってきた言葉は意外なものだった。

 「私の疑問に対し彼は『人間の聴覚は脳に繋がっているんだよ。つまり僕たちの粘液接触と興奮を日常の音と共に脳に刻み込むことで、街でこの音を耳にした際、今日の記憶を思い起こすこととなるんだ。それってとても素敵なことじゃない? これでいつまでも僕たちの営みの記憶は生き続けるんだ』と、ニヤニヤしながら言うのです。私は快楽というよりも、気味の悪さでその時の光景が頭に焼き付いてしまいました。そんな彼の異常なこだわりがあったため、やがて別れを告げました」

 それから真奈さんは、CDから流れてきたあの環境音を街で聞くたび、元恋人のことを思い出して気分が悪くなるという。

(取材/構成・篠田エレナ)

写真・Mario Spann

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