「ある男性と、友達の誕生日会で知り合いました。その人は身長も高く、トークも面白い。それに顔つきも、反町隆史に似たキリっとした作りで完全に私のタイプでした。なのですぐに連絡先を交換し、その後、何度かデートを重ねると、彼の方から告白され付き合うことになったんです」
春恵さんは、デート中にキスはしたものの、それ以上の行為は交際するまでしなかったという。しかしいざ、ベッドの上で服を脱ぎ捨てた時、彼のあることを知る。
「彼が服を脱いだ時、肩のあたりにワンポイントのタトゥーが見えたんです。今までは服を着ていたため、気づきませんでしたし、そのことを話してもくれませんでした。彼は私の視線に気がつくと『隠しててごめん。若気の至りで入れちゃったんだよね〜』と笑っていました。確かに極道映画に出てくるド派手なものではなく、おしゃれなデザインだったのですが、私はタトゥー自体に引いてしまったんです」
彼女の周りにはタトゥーをしている友人は誰もいなかった。そんな見慣れないタトゥーを恋人がしていたこと、そして公共の施設を利用できないことが特に嫌だったという。
「タトゥーが嫌なんて古い考えかもしれません。でも私が一番嫌なのは、タトゥーの入場が禁止されている一部の温泉やプールに彼と行けないんだ、ということがショックでした。やっぱり恋人とは季節に合わせて、そういう公共施設に気軽に行きたいんです」
それ以来、春恵さんの彼への気持ちは急激に冷めていき、別れることになったという。
(取材/構成・篠田エレナ)
写真・Incase.