「数年前のお正月、久々に高校の同級生と集まったんです。その中の東京に住んでいる男友達は、とにかく東京かぶれ感が凄かった。上京するまでは普通の地味な男の子だったのに、久々に会ったら『何もないこんな田舎に住んでいる人はかわいそう』だとか、『やっぱ東京と違ってダサい人が多いよね』みたいな、地元をバカにするようなことばかり言うんです」
久しぶりに地元に帰省したというその男友達は、なにかと東京と田舎を比べて、現在の生活っぷりを自慢してきたという。その偉そうな態度が奈々さんは許せなかった。
「とにかく『東京では』という言葉を連発して、地元のネガティブな部分をクローズアップする。でも東京なんて住もうと思えば誰でも住めるわけじゃないですか。なのに住んでいるだけで自分が凄い人間だと錯覚して、大口を叩くんです。それが中高生ならまだ許せますが、いい年した大人が言っていると思うと本当にドン引きですよね」
そんな奈々さんは、就職のために今年の春から東京に住み始めた。しかし帰省の際は、絶対に地元をバカにするようなことはしたくないという。
「確かに東京は遊ぶところもたくさんあって、様々なことが便利です。でも田舎にだって自然に恵まれていたりと良いところはたくさんある。なので、どちらかの都市を蔑んだりするような話はしたくないですね。他にも合コンとかで、地元の人間でもないのに、出身地に対して表面的な知識でディスってくる人もいます。そういう人も私はNGですね」
地元への愛を持っているからこそ、その部分を馬鹿にしてくる人とは関わりたくないと話す奈々さん。自身も他人との地元トークの際は、失礼な言動がないように気をつけているという。
(取材/構成・篠田エレナ)
写真・Ferian-pz