クラシックの蹄音が徐々に近づきつつある中、現時点ではほぼ無名に近い存在だ。しかし、リクエストソングを知る関係者からは「クラシック級」との声が数多く聞かれる。
無論、鞍上の後藤騎手もその素質にほれ込む一人だ。「新馬戦で初めてまたがった時からクラシックを意識させてくれた。順調に育てば必ず大きな舞台に立てるでしょ」
その初戦は2着に敗れたものの、続く未勝利→500万特別を連勝。陣営の期待通り、エリート街道に乗った。とりわけ、福寿草特別はハナ差の勝利とはいえ、ゴール前で手応えが怪しくなりながらも、もうひと伸びするしぶとい内容のレースだった。
「前走でもまだ直線で一度、気を抜くような面があった。2連勝しているけど、心身ともに子ども。本気で走っていない」とは古川助手。それでも、ポンポンとオープンまでこぎつけた。伸びしろがあるからこそ未来への夢も広がる。クラシックへの可能性を感じずにはいられない。
その夢を実現させるためにも、結果が求められる。初の重賞挑戦だからなどと、ネガティブなことはいっていられない。古川助手も気合満々だ。
「まだ課題はたくさんあるけど、一戦ごとに着実に力をつけてきたのは確か。鞍上もそうだけど、是が非でもダービーの舞台へ立たせたい素質馬。だからこそ、ここが正念場だと思っている」
無名に近い存在からクラシックの主役候補へ。その名を全国にとどろかせる飛躍の舞台がいよいよ近づいてきた。