関西のホープ・川田騎手が素質にゾッコンのサンデージョウを担当するのは、この道5年目の三野輪亮調教厩務員。
父は美浦・境征厩舎の調教助手、2つ上の兄はJRA職員という競馬一家。厩務員になったのも「父の背中を見て育ったから。自然の成り行きでした」。
相沢厩舎の所属になったのは、2008年の1月1日。1年8カ月の間に5勝を挙げているというから馬運は良い。「馬運というより、先生(相沢調教師)のおかげ」と感謝の気持ちを表す三野輪さん。「でも、最初から担当したのはサンデージョウが初めてなんですよ」。それだけに、一層思い入れは強い。とくに前走のダリア賞は悔しやかった。直線で前が壁になり、痛恨の3着(0秒2差)。勝つことの難しさを改めて感じたという。
最終追い切りは南Wコースで松岡騎手が騎乗。5F71秒6とマイペースの調整に終始した。「ここまで負荷をかけた追い切りを消化してきているから、これで十分」と三野輪さん。松岡騎手から「反応のいい動きでデキは文句なし」の報告を受け、意を強くした様子だ。競馬サークルは好事魔多しだけに、「順調なのが何より」というひと言に実感がこもる。
先週はタマニューホープ(古馬1000万)、そして、今週はクリールパッション(古馬オープン)に胸を借りて追い切ったように、身体能力は高い。
「重賞ですか? 定年までに勝てればいいですけど、運があればチャンスはあるかもしれませんね。先行力があって、終いも切れるセンスのいい馬ですし、千六も問題ありませんから」。手塩にかけて育ててきた愛馬の傍らで三野輪さんの目がキラリと光った。