たくましくなった。ビルドアップされた褐色の馬体。しかし、それは見かけだけではない。トールポピーは心肺機能も脚力も大幅に成長したことをはっきりと示した。
2月27日にCWコースで行われた1週前追い切り。池添騎手が騎乗して5Fから67秒4→52秒5→39秒2→12秒5。しかし、すごかったのは時計ではなく、その中身だ。
併せ馬の相手はトーセンキャプテン、インセンティブガイという重賞戦線で活躍した古馬2頭。これらを後方から追いかけて、あっさりと併入したのだから恐れ入る。
「3歳になったばかりの牝馬が、あれだけの古馬と互角以上の走りですからね。申し分ない動きでした」と酒井助手が笑みを浮かべるのもうなずける迫力だった。
見事な末脚で2歳女王に輝いた阪神JFから3カ月。中間は放牧に出され、リフレッシュに努めた。これが大きかったようだ。
「それまで食いに不安のあった馬が今はまったく問題なくなった。2月21日の時点で馬体重は480kgとふっくらしている」
前走の馬体重は466kg。大きくなったから目いっぱい調教もできる。断然のクラシック候補と騒がれた全兄のフサイチホウオーは3歳になって急失速したが、妹にその心配はない。すべてがうまく運んでいる印象だ。
その阪神JFは強かった。中団やや後ろから一気に差し切る強烈パフォーマンス。芝1600m1分33秒8と時計も申し分なく、同じ厩舎でひとつ上の先輩のダービー馬ウオッカに続いた。
この春の目標はもちろん、そのウオッカが勝てなかった桜花賞だろう。同じ厩舎のポルトフィーノはじめライバルは多く、昨年同様、ハイレベルの3歳牝馬戦線だけに、ここは前哨戦以上の大きな意味がある。
「体はきっちりできているし、とにかく元気いっぱい。いい結果を出して本番につなげたい」
チューリップから桜の舞台へ。トールポピーというひなげしの花が咲き誇ろうとしている。