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【ドラマティックレビュー:JCダート】谷間の世代、5歳馬ニホンピロアワーズが新ダート王

 今年の最強ダート馬決定戦を制したのは5歳馬ニホンピロアワーズ。5歳のダート代表馬といえば今年の帝王賞を制したゴルトブリッツ。しかし、その後ゴルトブリッツは惜しくも腸捻転のため他界。JCダートに向け、4歳馬ローマンレジェンド、3歳馬イジゲンら新興勢力が台頭し、エスポワールシチー、トランセンド、ワンダーアキュートら近年の中心馬も依然として底力を見せ続けたなか、5歳馬は目立たない谷間の世代という存在であった。

 ニホンピロアワーズはこれまで21戦し掲示板外となったのは1度だけという堅実派。唯一の掲示板外に終わったのは昨年のJCダートで、1コーナー手前でハナに立とうと大外から切れ込んできたトランセンドに被され、いつもの好位からの競馬ができずに終わり9着。馬込みや砂をかぶると弱いという、この馬のモロさが露呈した一戦でもあった。

 しかし、前走のみやこSではレース序盤、フサイチセブンに前を塞がれるかたちになるも、しっかり好位をキープ。勝ち馬ローマンレジェンドと斤量差がありながらもクビ差で2着を死守。派手さはないが大崩れもない善戦マン。ローマンレジェンドや3歳馬の新興勢力の台頭の陰で、ニホンピロアワーズは地味なキャラを守りつつ、静かに、着実に成長を遂げていたのである。

 また、今回の勝ち方を見ると弱点の補強だけではなく、スタミナと脚力のパワーアップにも成功していたことが伺える。最終コーナーでは2番手追走から抜け出しを図るホッコータルマエを持ったままで抜き去り、追い込んで2着に食い込んだワンダーアキュートには3馬身差の圧勝。しかし、今思えば、ニホンピロアワーズがパワーアップしていると判断するのは難しかったかもしれない。秋緒戦は地方重賞の白山大賞典で、圧倒的な勝ち方をしても当然の相手。前走のみやこSは58キロを背負い2着を死守し底力を見せるも、このレースは「やはり今年はローマンレジェンドか」という印象が強かったのは否めないだろう。

 今回、地味ながらも力をつけ頂点に立ったニホンピロアワーズに対し、古豪エスポワールシチーとトランセンドは大敗。新興勢力ホッコータルマエは3着、ローマンレジェンドは4着。ニホンピロアワーズがここに至るまで目立たなかった分、世代交代の印象が薄いが、確実にダートの主力が入れ替わったレースだった。

〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。今年度のおこづかい馬券の成績は現時点で回収率140%、プラス収支をキープ。Twitterのアカウントは「@minoru1202」。

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