アグネスフライト、タキオン兄弟に、その母アグネスフローラ。さらにファビラスラフインなど、さすがはGI馬を数多く育てた長浜厩舎だ。先週のエリザベス女王杯、確かな仕上げでリトルアマポーラを女王に導いた。そして今週は、春の短距離王ファイングレインで一発を狙っている。
「この馬はもともと叩き良化型だからね。休み明け4戦目で体調はかなり上向いてきた」と中川助手はうなずいた。
この冬から春にかけて一気の3連勝。疾風のように高松宮記念まで制してみせた。しかし、秋になって、その勢いは失せてしまっている。だが、決して能力が衰えたわけではない。
セントウルSとスプリンターズSは体調が戻り切らず、前走のスワンSは前残りの展開に加えて59キロの厳しい負担重量が響いた。
「最後のひと伸びが利かなかったからね。マイル戦でも実績はあるんだし、気分良く追走できれば折り合いも心配ない」
最近は1200メートルに良績が集中しているが、3歳時はNHKマイルCで2着したほど。年齢を重ねてズブさが出てきた今なら、距離延長はマイナスにならないだろう。
京都はシルクロードS勝ちを含め、3勝している得意コース。そして何より今回はデキがいい。
「毛づやがピカピカで本当に状態は文句なし。楽しみはあるよ」
GIの勝ち方を知っている厩舎の仕上げは侮れない。
【最終追いVTR】直線では鞍上からムチが4、5発叩き込まれる熱の入ったケイコとなった。その気合に応えてゴール前までしぶとく伸び、ラスト1Fは11秒7。このひと追いで変わり身が期待できる。