渡辺は2016年8月にNMB48を卒業。彼女にとって山本は5年半、活動をともにした同グループの同期(1期生)であり、人気を争う“ライバル”だった。責任感が強く歌も上手な山本に対して、渡辺は清純派で妹のような存在。“さや姉”と“みるきー”というそれぞれの愛称がキャラクターの違いを物語っている。
2人の争いは2010年10月のNMB48結成時からすでに始まっていた。結成後にAKB48が発売した21枚目のシングル「Everyday、カチューシャ」(2011年5月発売)の選抜メンバーに選ばれたのは、NMB48からは渡辺と山本の2人のみ。同年7月発売のデビューシングル「絶対黒髪少女」で初代センターを務めたのは渡辺。山本は同年10月発売の2枚目のシングル「オーマイガー!」で初のセンターとなったが、一歩出遅れた形に。さらに12年11月に行われた“写真集売り上げ対決”でも渡辺に軍配が上がるが、ここから山本の快進撃が始まった。
2人のAKB48選抜総選挙の順位を比較すると、2012年は山本18位、渡辺19位、2013年は山本14位、渡辺15位と山本が勝利したが、差はわずかだった。しかし、2014年からは山本6位、渡辺18位、2015年は山本6位、渡辺12位と大きな差が生じ始める。渡辺の卒業した2016年に山本は自己最高の4位を獲得、NMB48のキャプテンにも就任し、NHK紅白歌合戦とのタイアップ企画「AKB48 夢の紅白選抜」(2016年)では1位を獲得するなど、絶対的エースとして存在感を示した。渡辺は卒業時に「ホントの友達のような関係にはなれなかったけど、今までの人生で一番運命の人だと感じました」と語っているが、ともに所属した時期は2人にとって濃密な日々だったことは想像に難くない。
それゆえに渡辺が卒業した理由として山本との“不仲”が噂されている。2016年4月、渡辺と山本はHKT48の指原莉乃とともに『AKB48のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)に出演。渡辺の卒業発表を受けての企画で、山本との“本音トーク”が期待されていた。番組内で“山本と渡辺は喧嘩をしたことがあるか”と聞かれた山本は、渡辺と大声を上げながら喧嘩をしたことがあると明かした。
山本は「衣装を着てリハーサルをする時があって、(渡辺と)どの衣装を着るのかで言い争いになって。これじゃない、『いやあっちの衣装って言ってたで』、いやこれやって!みたいな」と口喧嘩がエスカレートした当時の状況を振り返った。山本は最後に「いい加減にしろよ!」と怒鳴ってしまったという。その後、山本は怒鳴ったことを渡辺に謝り事態は収束したと語っていた。とはいえ、この日のラジオ番組では終わるまで2人の間には微妙な空気が流れていた。今年7月、山本が卒業宣言したことについて、渡辺が特にコメントしていないのも、いまだに微妙な関係性が続いているからなのだろうか。
NMB48を卒業した渡辺は、当時所属していた事務所を退社。SNSの投稿や動画配信はしていたものの、目立った芸能活動はなし。ここ2年は事実上の休業期間だった。そして芸能活動復帰のタイミングで前の事務所の系列の芸能プロダクションに加入した。しかし、AKB48選抜総選挙の開票イベントで“結婚宣言”をして話題となった元NMB48・須藤凜々花は、同じ系列の事務所に移籍こそしたが、卒業後も休業せず活躍の幅を広げている。卒業後、なぜ渡辺だけが休業状態だったのだろうか。
「週刊誌が渡辺と男性モデルとのスクープを報じたことが原因だと言われています。“清純派”のイメージが強かった渡辺なだけに、この行為は許されず“クビ”に近い形の卒業となったようです。須藤の結婚は渡辺よりもスキャンダラスな行為だったと言えますが、おそらく事務所はアイドルではないところで活躍できると期待したのでしょう」(芸能ライター)
山本と渡辺、かつての“ツートップ”の明暗が分かれてしまったとも言える状況。今のところ山本の卒業時期は未定だが、渡辺は9月にコンサートが控えており、再びタイミングが合ってしまうことも考えられる。山本の卒業時期の発表と、卒業後の活動に注目が集まる。