昨年12月17日午前7時40分頃、茨城県取手市のJR取手駅西口で、停車中の路線バス2台に、刃物を持った男が乗り込み、乗客の中・高校生ら14人を切りつけた。この惨劇のさなか、駅前付近で客待ちをしていた松本さんは勇敢にもバスに飛び乗った。すでに犯人の斎藤勇太被告は20代の男性2人に取り押さえられていたが、床に落とした長さ25cmの刃物を奪い取って、背広の内ポケットに収めるお手柄を挙げた。
松本さんは昭和30年代に活躍した元プロボクサーで、名門の金平ジム(現協栄ジム)に所属。フェザー級で11戦をこなした。昭和39年(64年)には防衛戦のために来日したWBA、WBC世界フェザー級王者のシュガー・ラモス(キューバ)のスパーリングパートナーに抜てきされた経験もある。
同協会の大橋秀行会長は「スポーツマン精神にのっとった行動で、ボクサーの意義を高めた」と勇気ある行動を称えた。
(落合一郎)
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