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DeNA、“困った時の井納翔一”がチームを救う! 大人のマウンド捌きでベテランが復活

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井納翔一

 34歳になったベテラン右腕・井納翔一が元気だ。18日敵地でのカープ戦に先発し、6回わずか4被安打無失点で「ストレートの状態が良く、スライダーも前回よりコントロール良く投げられた。いい形でリリーフ陣に繋げることができた」と本人も納得のピッチングで勝利投手となった。

 手術明けの昨シーズンは一軍と二軍を行き来し、プロ7年目でワーストの15試合登板で4勝5敗の成績。それでも、「70イニングは投げられた。来季につながる」との思いを胸にしっかりと調整し、上茶谷大河のケガの穴を埋めるべく開幕ローテーション入り。ラミレス監督もベテランと言う事とデータを加味して、登録抹消をやりくりし、ここまで7試合全て先発登板で、4勝3敗ながら防御率は2.21と素晴らしい数字。QS率も5.71で、最低でも5イニングを投げる安定性もチームにとってありがたい存在だ。

 井納のコメントで目に付くのは「一球一球集中して」との言葉。今まで、乗っている時はテンポ良くスイスイとピッチングするも、一端崩れ出すと止まらない面もまま見られた。しかし、今年は雨の中でも集中力を切らさず、ピンチでも動じない姿が頼もしい。

 先週末、本拠地・横浜スタジアムでのスワローズ戦、土曜日には小川泰弘に屈辱のノーヒットノーランを食らい、日曜には今シーズン開幕からローテーションを守り、8回全てのゲームでクオリティスタートをマークしていた平良拳太郎が乱調で連敗。しかも、エース今永昇太が左肩違和感で登録抹消され、打撃陣もケガ人続出と、悪いニュースばかりが目に付いたベイスターズ。チームの嫌な雰囲気と連敗を、大人になった“宇宙人”が変えて見せた。

 Twitterで、子どものためにキャラ弁制作、寮で元チームメイトの筒香(現タンパベイ・レイズ)の試合を観戦しレポート、母校の木更津総合高校の千葉大会優勝などをアップし、人気を博している。球団史に残る4000勝と5000敗を共に記録するなど、不思議な能力を持つ男が、苦しむチームもフォロワー数も上昇させていく。

写真・文 /萩原孝弘

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