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第1回 SL走る静岡県「大井川鐵道」 絶景越えて“秘境”へ

 今回から月イチ(毎月第1週)で連載が始まる「哀愁鉄道」。ナビゲーターは、今年8月22日に1万駅下車達成という前人未到の大記録を打ち立てた“乗り鉄のカリスマ”こと横見浩彦。鉄人・横見に、旅と鉄道の魅力をたっぷりとかたってもらいましょう!

 この連載では僕がこれまでに出合ったステキな路線や駅、そして車両などを紹介していきたいと思っています。僕は古き良き時代の面影を残す路線や駅舎が大好物。そのため内容はやや偏ってしまうかもしれませんが、お許しください。
 与太話はこれくらいにして、そろそろ本題に入りましょう。記念すべき第1回は、静岡県「大井川鐵道」を紹介します。鉄道ファンならこの名前を聞いただけでピンと来るのではないでしょうか? もうもうと黒煙を吐きながら鉄路を疾走し、そして時々思い出したかのように鳴らす哀愁ただよう汽笛…。そう、大井川鐵道ではSLの動態保存が行われており、あのたくましい姿をほぼ毎日楽しむことができるのです。
 もちろんSLも魅力のひとつですが、今回僕がオススメしたいのは「井川線」。大井川鐵道は金谷駅〜千頭駅間の「大井川本線」と、千頭駅〜井川駅間の「井川線」からなっており、後者はもともと井川ダムの建設時に富士電力(現在の中部電力)によって敷設された鉄道です。なお、木材搬出が行われたことから、森林鉄道という名称で呼ばれることもあります。かつては日本には数多くの森林鉄道がありましたが、今ではそのほとんどが姿を消しています。
 さて、井川線の魅力は何といっても人里離れた断崖(だんがい)絶壁を、マッチ箱みたいな列車がおそるおそる、ゆっくりゆっくりと走るところです。これがたまりません。特に接阻峡(せっそきょう)温泉より先はまさしく“秘境”。よくぞこんな所に鉄道を敷いたものだと、本当に感心します。
 もちろん、昨今話題の秘境駅も存在しています。中でも「尾盛(おもり)駅」にはけもの道すらなく、人が訪れることはほとんどありません。
 また、閑蔵(かんぞう)駅と尾盛駅の間には「関の沢鉄橋」があり、川底からの高さはなんと100メートル! しかも運転士が気を利かせて徐行してくれるので、じっくり絶景を楽しむことができます。もっとも、高所恐怖症の方にはオススメできませんが…。

 ちなみに井川線には「南アルプスあぷとライン」なる愛称が付けられています。これはながしまダム駅―アプトいちしろ駅間が、日本唯一の「アプト式鉄道」となっていることに由来します。アプト式というのは急こう配を登るために工夫された鉄道方式のひとつで、スイスで誕生しました。井川線では90‰(パーミル)という日本最大の急こう配を登るためにこの方式が採用され、「レールラック」と呼ばれる専用レールが通常レールの間に備え付けられています。もちろんアプト区間専用の電気機関車も連結されます。なかなかの迫力ですので、ぜひ一度ご乗車ください。
 最後に大井川本線の見どころですが、昔の面影を色濃く残す古い駅舎が多数残っている点が◎。特に木造駅舎の「家山駅」は素晴らしいのひと言。待合室も昔ながらの雰囲気を残し、何十年も昔にタイムスリップしたのではないかという錯覚に陥ります。
 また、途中下車にはうってつけの大変お得なフリー切符も充実しています。目的に合わせ賢く利用しましょう。ではまた次回!

◎「大井川鐵道」
 大井川本線と井川線からなる路線の総称。SLがほぼ連日運行されているほか、日本唯一のアプト式鉄道も存在しており、多数の観光客が訪れる人気路線となっている。基点となる金谷駅は、東海道本線の金谷駅から徒歩3分と、JRとの連絡も抜群にいい。

<プロフィール>
 横見浩彦(よこみ・ひろひこ) 
 トラベルライター。1961年生まれ。
 05年2月20日に上信電鉄上信福島駅にてJR・私鉄全駅下車。09年8月28日に近江鉄道ひこね芹川駅にて1万駅下車を達成した。乗り鉄界のカリスマとして、TVや雑誌のほか、鉄道イベントなどでも活躍中。

◎月間鉄道NEWS
 昨年12月14日をもって引退した“夢の超特急”こと0系新幹線が埼玉県さいたま市の鉄道博物館に登場。10月21日より常設展示されており、連日多くの鉄道ファンでにぎわっている。
 展示されているのは、東海道新幹線開業の1964年、最初に量産された360両のうちの1両。現存する0系の中では特に保存状態が良い。また、0系の展示に合わせ、新幹線開業当時の東京駅19番線ホームも再現されている。
 公開初日となった21日は、およそ250人の鉄道ファンが行列を作り、高度成長期の象徴たる0系新幹線の勇姿に酔いしれていた。なお、車内の見学や、0系の特徴である愛嬌(あいきょう)のある「だんご鼻」をバックに記念撮影もできる。
 鉄道博物館は毎週火曜日が休館日。営業時間は10時ー18時(入館は17時30分まで)。

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