まずは携帯よりiPhoneやブラックベリーが目立つ気がする。そして携帯の端末も着信音や着メロ(リングトーン)も日本に比べると実に垢抜けない。
東京の地下鉄車内を見渡せばほとんどの人が携帯に向かっていると言っても過言ではないが、NYの地下鉄車内でのアクティビティは本や雑誌、新聞が主流である。携帯を広げてメールを打ったり話している人はほとんどいない。それもそのはず、地下鉄の構内でも車内でも電波が届かないのだ!
MTA(都市交通局)が10月に発表したところによると、通信会社大手のAT&TとTモバイル(のみ)と10年契約を結び、幾つかの地下鉄駅で携帯が使えるサービスを来年末までに始めるというのだ。何とも亀の如き歩みだが、これでも予定より1年早いのだそうだ。電車内とトンネル内での使用は保証の限りではないとか、ベーシックな操作しか出来ないとか色々と制限がある。2016年までにはすべての駅で使えるようにしたいとMTAの広報は語っている。
現在の地下鉄利用者は地下鉄がマンハッタンを過ぎて地上に出ると途端に電話で話し始める人がいる。もし地下鉄車両内で携帯が使えるようになったら英語、スペイン語、中国語、韓国語などが入り乱れるのだろうか?それとも日本がそうだったように電車内での通話を規制してメールだけ、という事になるのだろうか。
遅れたNYの携帯環境だが、1つだけ進んだ点がある。2年前の訪問時にはなかったプリペイドの携帯が登場した事だ。今まではNYで携帯を使おうと思うとレンタルの国際携帯はとんでもなく高かったし、ニューヨークのプリペイドも安くはなかったのだが、TracFoN ワイヤレスという会社が出している携帯を見つけて買ってみた。デュエイン・リードという大手ドラッグストアで見つけたのだが、日本だと5000円ほどするところ、たったの9ドル99セント。使える分数のカードを選んで登録するだけ。こう書くといかにも簡単そうに聞こえるが、日本のように買ったプリペイドカードの番号を入力してシャープを押しておしまい、という訳にはいかず、他の電話から指定された番号にかけてアクティベート(作動)させるのだ。
こうした事に弱い私はお店の人に頼み込んでやってもらったが、電話で10分ぐらい待たされていた。安いのはいいけれどデザインは悪いしアクティベートが大変なところがネックである。英語が苦手な人には尚更だろう。
高くてカンタンか、安くて大変か、いい事ばかりはないようだ。(セリー真坂)