例年通り、人気アマチュアディーラーのガレージキットや、企業の会場限定商品は会場数十分で完売が相次いだ。版権使用されているキャラクターは前回に引き続き『けいおん!』や『化物語』、『魔法少女リリカルなのは』のキャラクターが多い印象を受ける。人気ゲーム『ラブプラス』のキャラを扱った作品も今回はグッと数が増えた。企業ブースでは最近人気を集めている可動式フィギヤやデフォルメ新製品がかなり数発表され普通のフィギヤを凌ぐ人だかりを作る製品も。
コスプレーゾーンでは炎天下にも関わらず、レイヤーを撮るカメラ小僧の熱気でムンムン。撮影スペースでは気温を上げんばかり密集ぶりだった。コスプレ用持ち込み物として、モデルガンや模造刀の持ち込みが許可されているワンダーフェスティバルは、より深い完成度を求めるレイヤーやカメラ小僧の祭典でもあるのだ。熱狂するのも致し方ないところか。
SFショップゼネラルプロダクツ(現ガイナックス)大阪2号店でひっそりと第一回のイベントが行なわれた25年前に、ここまでワンダーフェスティバルが大規模なイベントになると想像した人はいただろうか。今や参加ディーラー、企業数は1900を超え、ここ数年は来場者数が4万人を割ったことはない。90年代初頭の版権問題での企業との軋轢や、92年冬のゼネプロから海洋堂への運営交代劇、最近では東京ビックサイトでのエスカレーター事故など様々な問題を乗り越えて、前回の2010年冬からは、幕張メッセの1〜8ホールを全て使用する超巨大イベントに成長した。もう立ち上げ当初のアングラ感は皆無で、ガレージキットやフィギヤはオタク業界では完全に浸透したものといえよう。
キャラ売りに特化したアニメ、ゲーム作品の増加により、ここ十数年の間のガレージキット、フィギア界は急速に発展してきたが、今やその発展期も終え安定期に入りつつあるようだ。(斎藤雅道)