この日、猫ひろしは、自信の赤いランニングシャツの胸にカンボジア国旗を着けて挑んだ猫は序盤から好ペースを維持。沿道からの声援にパフォーマンスで答えつつ、最終的には自己ベストを7分以上上回る好タイムでのゴール。声援に常に応え続けたのは芸人故のサービスだろうが、「あのパフォーマンスがなければもっと好タイムを出していただろう」との声も上がっており、34歳を超えてもなお成長著しい猫の走りに多くの人が期待を寄せている。
さて、こうなると気になるのが彼が国籍を移したカンボジア側の反応。日本国内では「五輪に出場したいが為に国籍を移すのはいかがなものか」との厳しい意見が当初から聞こえて来ていたし、カンボジア五輪委員会としては、やはり本国人に出て欲しいと考えている、という話も聞こえている。
それでは実際、カンボジアの人々は猫ひろしの五輪選手としての出場をどのように考えているのだろうか?
カンボジアに住んで何年も経つ日本人ジャーナリスト氏によると、猫ひろしの活躍を絶賛し、彼が国籍を移したことについても好意的に見ている人が多いのだという。もともとカンボジアの人々は日本に対して好意的な人が多いという。かつてカンボジアはクメール・ルージュが政権を握っていた際に文化人らが虐殺され、内戦が終わったときには知識人や法律の専門家がいなくなってしまい、国家を運営する事が不可能なほどの状態に陥っていた。その後に国連暫定統治機構(UNTAC)がカンボジア支援のために活動を開始するのだが、新しく法律や政府を立ち上げる際に、日本人が関わっていたため、好意的に見ている人が多いのだそうだ。
また、かつて『進ぬ! 電波少年』の企画でアンコール・ワットへの道を整備する企画があったが、この企画を覚えていて、有り難いと思っていたカンボジアの人たちも相当数いたという。
これらを踏まえて、猫ひろしの五輪出場についても、これで多くの日本人が、またカンボジアに興味を持ってくれるようになり、より親密な関係になれるのでは、と期待しているのが一般の人々の見解なのだそうだ。
はたして、猫ひろしの五輪出場はいかに。