同行によると、元行員は橿原支店で集金を担当。11年9月〜今年3月、複数の顧客から現金数10万円〜560万円を預かり、数日〜15日間日付をずらして入金する手口を計171回繰り返し、穴埋めを続けていた。流用額は約2億2900万円に上る。
今年7月の店内定期検査で、現金の預かり日と入金日が違うことなどから発覚した。また、本件流用とは別に、顧客1人から個人的に200万円を預かっていたことも判明した。
元行員は流用した金を、クレジットカードや消費者金融ローンの返済などに充てていたといい、同行の調べに対し、「生活がだんだんと派手になったが、借金をやめられなかった」と説明しているという。
元行員は家族からの借り入れなどで、すでに全額を弁済。個人的に顧客から預かった金も、流用発覚後に返済を済ませている。
同行では元行員から流用金が弁済され、取引内容を適正に処理し、結果的に顧客側の損失はなかったため、刑事告訴は見送る方針。
同行は「信用を第一とする金融機関といたしまして、このような事態を招いたことを役職員一同、深く反省いたしております」と謝罪。
今後の対応については、「当行は今回の事態を厳粛に受け止め、内部管理態勢の問題点を洗い出し、不祥事件の再発防止及び信頼回復に向け、事務管理、人事管理、コンプライアンス態勢の強化に全役職員が一丸となって全力で取り組んでまいります」とコメントしている。
(蔵元英二)