ともにトップハンデの59キロを背負ってのレースとなったが、軍配が上がったのはニホンピロアワーズ。トウショウフリーク、ナムラタイタンに続き3番手につけ最後の直線へ。勢いよく抜け出そうとムチを入れられるナムラタイタンと並ぶ形になったが、アワーズは対照的にまだ持ったまま。これぞ王者の貫禄。ソラを使う癖を考慮し、ムチを入れたのは抜け出してからゴール前までのわずかな距離だけ。昨年本格化し、叩き2戦目、得意の京都コースとなれば、向かうところ敵なし。帝王賞制覇への視界は良好だ。
一方、ハタノヴァンクールは5着。ジャパンダートダービ制覇後に川崎記念を制しているが、中央では結果が出せていないがワンダーアキュートを負かす力があるのだから、ここは単純に地方の砂の方が合うと割り切るのがいいのではないか。前走はオースミイチバンに負け、今回は格では下にあたる馬にも負けてしまったが、帝王賞の舞台は2戦1勝、2着1回と好相性を誇る大井競馬場。大井での逆襲に期待したいところだが、JRA所属馬の出走枠は6頭まで。今回合わない中央を使ったのは獲得賞金の事情もあっただろう。ハタノヴァンクールは果たして賞金が足りるのかどうかが気になるところだ。
帝王賞に進みそうな馬はニホンピロアワーズに、かしわ記念を制したホッコータルマエ、未だ衰えを感じさせないワンダーアキュート、アキュートと同世代のテスタマッタ、昨年注目を集めたローマンレジェンド。ざっと、挙げただけでもう5頭。地方で戦えば別馬のような動きを見せる馬だけに、何とか出走にこぎつけ逆襲Vを期待したい。
〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。昨年度のおこづかい馬券の成績は回収率137%、プラス収支をキープ。Twitterのアカウントは「@minoru1202」。