スコアこそ、第1戦(10月16日)が3-2、第2戦(17日)3-0、第3戦(18日)3-1と、僅差のゲームが多かったが、得点差以上に、両チームの力の差は歴然で、巨人の横綱相撲だった。
広島は9月以降、リーグトップの16勝9敗1分けの好成績で、中日との3位争いを制して、16年ぶりのAクラスに入った。CSファーストステージでは、その勢いを駆って、リーグ2位の阪神に2連勝して、ファイナルステージに勝ち上がった。
しかし、レギュラーシーズンで、69勝72敗3分けと借金3の広島と、84勝53敗7分けで貯金31の巨人とのゲーム差は実に17。ハッキリ言って、地力の差は明らかだった。
ところで、東京ドームで開催されたファイナルステージの観客動員は、第1戦が4万5107人、第2戦が4万5316人、第3戦が4万6081人と、3試合すべてで4万5000人を超える大観衆を動員した。
だが、巨人の営業部にとっては、巨人の3連勝は痛しかゆし。NPB(日本野球機構)の収益となる日本シリーズと違い、CSは主催チームの貴重な収入源となる。従って、営業部的には、できるだけ6戦まで行った上で、最終的に勝ってほしいのがホンネ。昨年は、中日との闘いでは第6戦までもつれ込んで勝ったため、営業部的にはウハウハの結果となったのだ。
ファイナルステージが3戦で、あっけなく終わってしまったことで、巨人の営業部としては、複雑な心境だろう。
(落合一郎)