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楽天が本拠・宮城での日本シリーズ開催に向け悪あがき! 異例のシーズン中の増席計画発表

 プロ野球パ・リーグ首位を走る東北楽天ゴールデンイーグルスが、本拠・Kスタ宮城での日本シリーズ開催に向け、異例ともいえるシーズン中の観客席の増設工事を決めた。

 楽天は8月12日現在、2位の千葉ロッテに6.5ゲームの大差をつけており、04年の球団創設以来、初のリーグ優勝が現実味を帯びている。

 こうなると、どうしても意識せざるを得ないのが、CS(クライマックス・シリーズ)を勝ち抜いての日本シリーズ進出だ。

 そうなった場合、かねて疑問視されていたのが、本拠・宮城の観客収容人員の問題だ。現状、宮城の収容人員は2万3466人で、球団創設時に公約した2万8000人の目標に届いていない。その問題がクリアされないかぎり、楽天が日本シリーズに進出しても、宮城での開催には異論も渦巻くことが予想されていた。

 そこで、危機感を感じた楽天は12日、シーズン中にもかかわらず、仮設スタンドの増設工事をすることを発表した。工事は8月下旬からで、9月上旬には使用可能。増設場所は三塁側の外野寄りに936席、左翼の芝生席後方に1249席で、総工費4000万円をかけて、計2185席を増設する。

 これにより、収容人員は2万5651人まで増えるが、目標に届かないため、さらに10月までに2万8000人まで増設したい考えだ。

 楽天が04年11月に明らかにした球場改修案では、06年3月までに2万8000人までに増やすとしたが、実際にはほとんど実行されなかった“前科”がある。10年12月には加藤良三コミッショナーから日本シリーズ、オールスター戦の開催にあたり、「3万人が最低限」と増設を促される一幕もあった。

 これまで、CSに進出した09年(2位)以外、万年Bクラスだった楽天にとっては、日本シリーズはほぼ無縁だった。しかし、今季の好成績で日本シリーズ進出の可能性が広がった。それでいて、本拠・宮城で開催できないとなると、赤っ恥もいいところだ。

 立花陽三球団社長は「日本シリーズがこのスタジアムでできる環境づくりをしたい。それに向けて努力することが企業としての姿勢」とコメント。

 これまで放置しておいて、対応が遅すぎる感は否めないが、10月までに目標の2万8000席までもっていくことで、楽天はなんとか宮城での開催にこぎ着けたい意向。

 この動きに対して、NPB・井原敦事務局次長は「2万8000人が(日本シリーズ開催の)絶対条件ではない。それを目指してくれ、というイメージ。NPBからの働きかけはない。CS、日本シリーズが(増席の)一つのきっかけにはなったのだろう」と話しており、増設が完了すれば、宮城での日本シリーズ開催が容認される流れとなった。

 だが、収容人員4万人の球場と宮城とでは、日本シリーズを行った場合、入場料収入で約1億円の差が出ると見込まれている。楽天が増設したとしても、主催者のNPBとしては、宮城開催だと大きく収益が減ってしまうことに変わりはなく、頭が痛いことは確かだ。
(落合一郎)

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