イベントには、MCのあべこうじ、門脇佳奈子(元NMB48)をはじめ、お笑い芸人のほんこん、次長課長・河本準一、グランジ・五明拓弥、若手芸人コンビのラフレクラン、さや香が登壇。文化人からは、秋元康氏がプロデュースする『吉本坂46』のオーディションでダントツの投票数を獲得している脚本家の旺季志ずか氏をはじめ、鈴木宗男氏の元私設秘書で千葉科学大学教授のムウェテ・ムルアカ氏、声優でラジオパーソナリティの高杉‘Jay’二郎氏らが顔をそろえた。
最初のテーマは「マナー崩壊」。出演者は昔と今の道徳観の違いを指摘し、インターネットの普及によって感覚の違いが出ているとの意見が上がり、“LINEで仕事の報告をしても問題ないか”“就職面談で会社の休日を聞くのはおかしいか”などのテーマで討論は白熱した。話が“日本の教育”に及ぶと、ほんこんは「僕らの世代でNSC(吉本総合芸能学院)というのが出てきて。ダウンタウンとかが第1期で、その前は弟子で。その匂いがあったから、俺らも師匠の方々にはていねいに全部あいさつしに行った」と振り返る。ただ、ベテランとなった今は「楽屋に一人一人来られるのもしんどい」と実感しているようで、後輩への教育には難しい部分もあると苦笑い。とはいえ、若手芸人が定期的に訪れると「(楽屋の)空気が入れ替わってええかも」とボケて会場の笑いを誘った。
また、河本は世代間の言葉の違いに違和感を持っているようで、「中高生の言葉もどんどん新しい言葉に変わっていくじゃないですか。40代、50代の人がまったくついていけないわけよ」と悲しげな表情。続けて「この間、18歳の女の子にいろいろしてあげたら“あざまる水産”って言われて」と話すと会場は爆笑。「俺はもうそれショックで…でも、日本の国語の教科書には“あざまる水産”とかはない」と、目上への感謝に軽い言葉が使われる時代を嘆いた。とはいえ、若者によって言葉が変わっていくことは、教育に関係なく止めることはできないと身をもって実感したようだった。
続いてテーマは「終活のすすめ」へ。家族や知人のことを考えて、自分が亡くなる前に遺産相続や遺影写真、エンディングノート(死を迎える前に自身の希望を書きためておくノート)を残すなどの“終活”をめぐり、熱いトークが繰り広げられた。
ムルアカ氏は、「あんまりそういうこと(終活)ばかり考えると、神様の世界ではもう(準備が)できているでしょう、と(なってしまう)」「残っている側はどうとでもすればいい」と、現世で死を迎える準備をすると神様が早く迎えに来てしまう、というカトリック教徒らしい意見を口にした。しかし、これにMCのあべが「でも、それで(終活をせずに)家族がもめた時にどうする?」と疑問を呈すると、終活カウンセラーでもある高杉は「どうとでもすればいいという意見は“逝った側”の意見」とムルアカ氏に反論。これをきっかけに“就活すべき”という声が大勢を占める流れとなった。ムルアカ氏の意見は賛同を得られなかったようだ。
その他、日本と北欧との福祉制度との違いについて議論。ほんこんは、すでに終活をしていることを明かし河本がガッツポーズで喜ぶ場面も。大いに議論が盛り上がったところでゴングが鳴り、討論は終了した。
最後は、コピーライターとして活躍中のグランジ・五明が、登壇した文化人それぞれにキャッチコピーをつけて発表。旺季氏に「桃色のシナリオ千手観音」、高杉氏に「見た目が、元ボクサー」「笑顔を届けるユーティリティーボイス」といったコピーを与えた中、209センチと高身長のムルアカ氏につけた「進撃の教授」が最も会場を沸かせていた。