数日前までは、いかにも出馬しそうなコメントだった知事だが一転、完全否定。この事態に永田町関係者は「最初から、今回の出馬は『見送り』のつもりだったと思いますよ」と予測した上で、その根拠として「宮崎にスポットライトをあててもらうチャンスだと思ったのでは?」とした。
お笑い界から県知事への華麗な転身をキメてから1年半あまり。「宮崎の広告マン」を自任する知事は、メディアをうまく利用することで県特産品の地鶏やマンゴーなどの売上、知名度を飛躍的に伸ばすことに成功した。しかし、「その役割もある程度まっとうした感が出ている。ひと言で言うと、メディアも地元有権者も知事のそのポジションに飽きがきているのは否めません。長い任期中のいわゆる“中だるみ”といっていい状態です」(前出・関係者)。
逆に今回、知事が出馬に色気を見せることで次期衆院選での宮崎1区は、がぜん「注目の選挙区」となった。これも「どんな手を使ってでも宮崎の露出を高める」という知事の狙いによるものか。
自民党関係者は「あれだけの人気知事が出馬の意向を見せれば、その後、出馬を取りやめて別の人が立っても、『注目の選挙区』という位置は失わない。当然、選挙中にメディアが取り上げる機会も増えるでしょう。中山さんの醜聞を逆手に取ったうまい戦略ですよ。完全に一本取られた感じですね」と苦笑い。完全に主導権を握られた様子だ。
また、別の永田町関係者は「本当に国政に打ってでるときの布石にもなる」と読む。ヒガシ知事一流のパフォーマンスは、周到に練られた“計画的犯行”だった可能性が高まっている。