「交流戦が流れを変える」
西村徳文監督は4連敗(引き分けを挟む)で交流戦に突入するチームの流れを、交流戦で変えたいと語った。しかし、公式戦と同じ流れで開催される交流戦で、セ・リーグが相手とはいえ、チームが急激に変化するとは考え難い。昨年の交流戦はパ・リーグのチームとしては勝率で首位に立ったが、西村監督が「あっさりし過ぎかな」と話す打撃陣の調子はここまで悪くなかった。また、起用法を考え直すとしている守備の失策もまだまだ不安を拭うことが出来ず、指揮官にとって頭の痛いところだ。
「いつも通り、一人一人抑えるだけです」
4日の交流戦初戦で、DeNA3連戦(京セラドーム)のカード頭の先発を任された“神童”山本由伸は、冷静に自分の務めを果たす思いを明らかにした。昨年、京セラドームで行われたオールスター戦でストレート勝負した結果、特大のホームランを打たれた筒香嘉智との“再会”も待っている。今度はパ・リーグ防御率1位のピッチャーとして、日本の主砲との対決は大いに期待したい。
DeNA3連戦は初戦が山本、2戦目が田嶋大樹、3戦目には榊原翼が先発予定。昨年のドラフト1位左腕、田嶋は今季初登板。「楽しみより不安の方が大きい」と話していたが、昨年の前半戦はルーキーイヤーにもかかわらず、アルバースとともに怪我人が続出した先発陣を引っ張った。今年はドラフト2位で田嶋と同期入団のK-鈴木が、先に先発ローテーション入りを果たしており、田嶋が好投すれば、山岡泰輔も含めた先発5本柱が揃うことになるだけに注目されるところ。
中継ぎ陣は、ディクソンが今季初昇格。主に先発を務めていたディクソンだが、昨年リリーフで投げた際、本人は「短いイニングだったので思いっきり投げられた」と好投の理由を話していたことから、ディクソンが8回に投げられれば面白い。1日の試合で救援に失敗した守護神、増井浩俊も「クイックの時、調子が悪かった。修正はできているので、先頭を出さないように抑えたい」と気を引き締めており、交流戦に向けて投手陣は盤石。
「クリーンナップが打つと雰囲気が変わる」
指揮官が話すように、問題はやはり野手ということになる。チャンスは作れているので、あとは打つべき人が打つべき場面で打つだけ。山本のピッチングが野手の攻守にもいい影響を与えられたら、チームの流れも変わるかもしれない。パ・リーグの他球団が負けている時は勝っておきたい。
取材・文・写真 / どら増田