四十肩は悪化すると、腕を上げることもできないぐらいの痛みが生じ、服を着替えるのすら困難になることもあります。
今回は、医師の小田切ヨシカズ先生に、四十肩の原因や予防法についてお聞きしました。
■四十肩と五十肩は同じ
「四十肩とは、肩の関節や、腱などの周辺の組織が炎症を起こしている状態。正式には『肩関節周囲炎』と言います。五十肩という呼び方もありますが、それは発症する年齢によって分けられているだけで、同じ症状です。四十肩は症状の変化によって三段階に分けられます。まず、炎症が始まり急激な痛みを感じる急性期。次に炎症がおさまっても、腕が動かしにくいなどの状態が続く慢性期。そして次第に回復へと向かう回復期です」
■原因は滑液包の炎症
「肩関節は肩甲骨と上腕骨が接続して成り立っていますが、スムーズに動かすために滑液包などが存在します。この滑液包などが炎症を起こすことで四十肩が起こるとされていますが、明確な原因は定かではありません。加齢による血行不良なども挙げられます。発生率は男女にそれほどの差はなく、左右についても利き腕であるかないかもそれほど関係ありません。回復に要する期間もまちまちで、長ければ2年以上かかる場合もあります」
■予防にはストレッチを
「四十肩は、特に治療を行わなくても問題はありません。自然に治っていきます。痛みがひどい場合などは、痛み止めの薬を服用するなどの方法があります。しかし、痛みの原因が分からず不安だけが募っていくのも良くありません。四十肩だと思っていたら、腱が断裂していたというケースもあるので、違和感を覚えたら病院に行くべきでしょう。予防にはストレッチが有効です。肩周辺の筋肉を柔らかく保ち、血行を促しておくことが大事。精神的なストレスも要因となり得るので、自分なりの解消法を見つけておくといいでしょう」
四十肩で腕が上がらなくなれば、気分も落ち込んでさらに老化を早めてしまうことになります。心と体は表裏一体。体を健康に保てば心も若くいられます。小さな症状も見逃さず、改善していきたいですね。
【取材協力】小田切ヨシカズ
湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。