それでも、食にこだわりがなく、コンビニで済ませている方もいるかもしれません。確かにコンビニ弁当はいつでも食べられるし、とても便利ではありますが、健康を害する恐れもあります。
今回は、医師の小田切ヨシカズ先生に、コンビニ弁当に含まれる食品添加物の危険性についてお聞きしました。
■食品添加物が使われる理由
「食品添加物とは、食品の製造過程または加工や保存の目的で使用されるもので、厚生労働省によって人体に害はないと安全性が認められたものです。コンビニでは、その場で弁当を作っている訳ではなく工場での生産となり、運ばれるまでに時間が掛かることから、鮮度を保つためにどうしても使用が増えてしまいます」
■実験で分かった危険性
「日本においての食品添加物は、指定添加物、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物に分けられ、数は1000種類以上にも及びます。すべてが健康を害すわけではありませんが、確実に安全だとは言い切れないのも事実です。添加物のひとつで、タンパク質を合成するアミノ酸の一種であるグリシンを使った実験によると、ラットに投与したところ中毒症状を起こしたという結果も出ています。ただ、これは大量投与によるもので、人間がそれほど多くを摂取するとは考えにくいところから、安全性に問題はないとされています」
■安全が保障されていても
「食品添加物の人体の影響については、いま安全が保障されていたとしても、将来どうなるか分からないという懸念もあります。また、いくつかの添加物を複合的に摂取した時の影響なども、研究段階です。もしかすると、物質が組み合わさることで、有害なものに変化する可能性もないとは言い切れません。人体へ与える危険性として考えられているのが、ガンの発症や、精子の奇形による胎児への悪影響など。安全性についてはあちこちで議論されていますが、食べないに越したことはないというのが現状でしょうか」
食べものの問題は、今の自分の体に関してだけでなく、次の世代への影響も考えなければいけないようです。とはいえ、あまり考えすぎてストレスを感じてしまうのも問題です。たまに利用しつつ、偏らない食生活を心がけましょう。食欲の秋に、コンビニ弁当ばかりでは味気ないですしね。
【取材協力】小田切ヨシカズ
湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。