水虫は、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる菌が原因。プールなどでの感染が多いため、夏に増えやすいのです。
今回は、看護師の大木アンヌさんに、水虫や原因となる白癬菌について、症状や対策をお聞きしました。
■水虫の原因となる白癬菌
「感染すると強い痒みをもたらし、進行すると水膨れなどの症状になる水虫。原因となるのは、白癬菌というカビの一種です。白癬菌は、皮膚の外側にある角質層に寄生し、ケラチンというたんぱく質を栄養源にして繁殖します。高温多湿の場所を好み、蒸れた状態が続く足への感染が多くなります。プール以外にも、大浴場の足ふきマットや、居酒屋の座敷なども感染しやすい場所です」
■白癬菌は足以外にも
「水虫は、足が白癬菌に感染することであり足白癬と呼ばれますが、白癬菌に感染する部位は足だけではありません。手白癬といって、手に同じような症状が出てしまう場合もあります。その菌がさらに爪の隙間に入り込むケースも。他にも、股部白癬。これはインキンタムシとも言われ、特に男性に多い症状で、陰嚢付近の汗で湿った部分への感染です。頭部白癬はシラクモとも呼ばれ、常に帽子やヘルメットを被っている方に多く見られる症状です」
■対策はまずは清潔に保つこと
「白癬菌は皮膚に付着してもすぐに角質に入り込むわけではなく、洗えば落ちるものなので、まず清潔にしておくことが大事。発症してしまった場合は、抗真菌薬での治療が基本になります。ほとんどの場合、薬を塗れば完治します。ただ、間違った薬を使ってしまうと、症状を悪化させてしまうこともあります。また、水虫だと思っていたら、ただの湿疹だったというケースもあるので、専門家の指示を仰いだほうがいいでしょう」
痒みがなくなり、見た目にも問題がなくなっても、菌が残っている場合もあるそうです。治ったと思っても、治療はしばらく続けたほうがいいでしょう。夏の症状は、夏のうちに改善しておきたいですね。
【取材協力】大木アンヌ
ルーマニア人ハーフの看護師。家庭や恋人同士で使える簡単な医療の知識を少しでも伝えていくため、ライターとしても活動中。