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被災した「なんでんかんでん」川原社長が語る東日本大震災の惨状(4)

 仙台で被災した、マネーの虎でおなじみのラーメン店「なんでんかんでん」川原ひろし社長(47)が大震災体験を語った最終回。着の身着のまま仙台を脱出する様子や被災地に対する想いを告白してくれた。

 −−川原社長の実害部分について?

 川原 地震の翌日、イベントホールの中覗いてみたんだけど、キレイサッパリ流されてたね。ここに100店舗の出店があったのに…根こそぎ消えていた。乗ってきたワゴンは木の間にひっかかってましたけど、中も含めてぐちゃぐちゃ。でも、生きてるだけで感謝しなくちゃね。「なんでんかんでん」の食材が入っていた冷蔵庫があったんですけど…これは、奇跡的に見つかった。イベントホールから2キロ流されてました。

 −−極限状態を体験して何を感じた?

 川原 生きていくことに貪欲になりましたよね。突然、非日常の世界に入ったみたいで本当に「夢じゃないのか」と思うこともありましたけど。いろいろなモノが喪失していくなかで、なんとか自分はやっている、というのを見せたかった。極限状態でどう動けばいいのかとか常に問われていた数日間だったと思う。あの未曾有の災害で生き残った者として、ここで負けてられんというか…。

 −−どうやって帰京できた?

 川原 結局、二日目の夜もホテルで過ごしました。食材に関しては幸運なことに問題はなかった。冷凍してあった海鮮モノ(自然に解凍されていたけれど)で鍋やったりしてね。しかし、これからどうする? 途方にくれてたんですが、仙台放送さんがワゴン車を回してくれると。ただ、東京方面への道は使えそうにないので秋田、山形方面には行けます、とのことだった。ちょうど新潟に出店したばかりだったので、なんとかそこまで乗せて行ってもらえればと。新潟経由で帰ってきました。

 −−被災地への想いは?

 川原 ボクらも被災者だが、踏ん張っていきましょう。また仙台でのイベントに参加することができる日が来ることを願っています。自分が被災してしまったので、炊き出しなどのボランティアなどやるという状態じゃなかったのが悔やまれる。東北の人たちにウチのラーメンをまた楽しんでもらいたいね。
(おわり)

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