同級3位の興毅とV6戦に臨む内藤。これまで公の場には一切姿を見せなかったが、ついに報道陣の前に姿を現した。
5月の防衛戦では大苦戦を強いられたが、原因は調整不足。内藤を指導する野木丈司トレーナーによれば右足の腸脛(ちょうけい)じん帯と左足首を痛め、十分な走り込みができていなかったという。
そのため今回は試合前に北海道、長野、千葉の3カ所で走り込み合宿を敢行。1日最長40キロに及ぶこともあり、徹底的に足腰の強化を図った。その成果で「コンディションもいいですし、順調。怖いくらいです」と手応えをつかんでいる。
“世紀の一戦”を12日後に控えたこの日は、興毅対策として1階級上のサウスポーを相手に2Rのスパーリングを披露。ダウンを奪うパフォーマンスも見せた。
ところが、状況がおかしい。宮田博行会長から「それあんまり見せるなよ。そのノーガード出しちゃだめだ」と動きを制限する指示が飛んでいた。
いつもと違ったのは、亀田ジム関係者が声を潜めて内藤の動きを視察していたため。手の内をすべてさらすわけにはいかない。内藤本人も警戒するポイントについて「いろいろあるよ。けど言わない」と口を閉ざしてしまうほどだ。
それどころか、報道陣から興毅からPRが足りないと指摘されたことについて問われると「オレはオレのペースがあってやってる。あいつだって盛り上げてる方でもないじゃん」とグチをこぼす場面も見られた。
ピリピリムードに包まれている内藤陣営。「今までの防衛戦と変わらず。ここからまた盛り上がっていく」(内藤)と語っていたが、これまでで最大の強敵になるだけに不安は拭えないか。