西岡は10年オフ、ポスティングシステム(入札制度)を利用して、千葉ロッテからツインズに入団。落札額533万ドル、3年契約約925万ドルの総額約1458万ドル(当時のレートで約12億円)の大型契約を結んだ。
しかし、昨季は故障も多く、わずか68試合出場、打率.226、本塁打0、打点19、盗塁2と不本意な成績だった。今季は開幕からマイナー暮らしが続き、8月にメジャー昇格を果たしたが、わずか3試合出場、12打数無安打1打点とふるわず、1週間でマイナーに逆戻り。その後、メジャー昇格の前提となる40人枠からはずされ、再昇格はならなかった。
西岡に関しては、かねて阪神が獲得に向け調査を進めていたが、ネックとなっていたのは残っている来季の契約だった。しかし、ツインズが西岡の求めに応じ、自由契約としたため、その交渉には何の支障もなくなった。
阪神は今季、二塁の平野恵一(33)が国内FA権、遊撃の鳥谷敬(31)が海外FA権を取得し、その動向は未確定で、2人ともにチームを去る可能性もある。三塁は新井貴浩(35)、新井良太(29)の兄弟が交代で務めるような状態で固定されていない。西岡は二遊間だけではなく三塁も守れ、阪神にとっては格好の人材。
金本知憲外野手(44)、城島健司捕手(36)が相次ぎ引退し、守護神・藤川球児投手(32)はメジャー移籍を目指しており、スター選手がごっそり抜けてしまう阪神。地元大阪出身で、首位打者、最多安打、盗塁王を獲得した経験がある西岡は、新たなスター選手として、どうしても欲しい選手だ。そのために、阪神はツインズに残留した場合に、西岡に支払われた来季年俸300万ドルを上回る条件を提示するもよう。
ツインズを自由契約になった後、古巣のロッテも獲得に乗り出す意向を表明した。スポーツジャーリストのA氏は、「メジャーで活躍したならともかく、満足に働けず、契約を途中で打ち切ったわけですから、西岡にとっては『どのツラ下げて、ロッテに戻るのか?』ということになるでしょう。現実的に西岡は離婚問題を抱えているため、条件面は重要な要素。マネーゲームとなれば、とてもロッテは阪神には勝てません。西岡が自らツインズに自由契約を申し出たのは、『移籍先のメドが立っているから』と見る向きが多いです。西岡の阪神入りの確率は高いと見ています」と語る。
西岡自身は9月29日付のブログで、「今現在、野球がどこかのチームでプレー出来る保証もありませんし、日本球界が必要としてくれるかも分かりませんが、必要とされるところで仕事が出来ることほど幸せな事はありません!」と、日本球界復帰をほのめかしている。
(落合一郎)