八代氏は韓国が作成した動画について、
「まずその、日本語英語韓国語以外の言語(の動画)を作る時点で、国際世論に訴えて、自分たちの不利さを払拭しようってことだと思うんですけども、映画の全編を公開するわけじゃないですから、そういうあざといことをすべきじゃないと思うんですね」
とバッサリ。その上で、
「そもそも、こちらが公開して韓国に認識を改めてもらおうと公開した映像を勝手に使ってですね、自分たちの映像を作るというのは著作権侵害行為ですから、日本側としては日本が映像を使われている部分はYouTubeに権利者として削除要請すべきだと思います。それぐらい馬鹿げた映像の使い方ですよ」
と著作権侵害に言及し、韓国の作成した動画を猛批判した。
この発言に、ネットユーザーは「さすが弁護士」「その通りだと思う」「本質をついている」と称賛。一部には「バランス感覚がない。諸外国の反応を考えていない」と批判もあったが、支持するネットユーザーが多かった。八代氏の発言は少なくとも日本目線で語られたものだったであろう。
一方、全く違う見方を示したのが、昨年12月「ネトウヨ」を猛批判した『モーニングショー』(テレビ朝日系)のコメンテーター玉川徹氏だ。ゲストの元海上自衛隊海将の伊藤俊幸氏に、「元航空幕僚長の田母神俊雄氏さんがレーダー照射は『よくあること』とTwitterに書いていた」と問い詰めたのだ。
これに伊藤氏は「間違いです」と断言。玉川徹氏は「幕僚長ですよね?空自トップですよね?」と食い下がる。伊藤氏は「田母神さんは私人ですから、それを根拠に物を言っちゃダメですよ。嘘です」とバッサリ切り捨てる。
しかし、玉川氏は「いやいや田母神さんはプロなので」と前置きし、「レーダー照射しても危険ではないと言っている。ロックオンされてもいろいろ解除しないとミサイルは打てない。ミサイルを打ってくるということはありえない」と話し始める。伊藤氏はこれに「わかっている人とわかってない人が色々と喋るので、田母神さんの話を根拠にするのは間違いだと思う」と返す。
なおも、玉川氏は「だから聞いてんですよ。レーダー照射っていうのは危険なのか危険じゃないのか?」と再質問。伊藤氏は「危険ですよ」と返すが、それでも玉川氏は「戦闘地域ではない。友好国でも危ないのか?」と発言。
この様子に司会の羽鳥慎一も「海上自衛隊の海将の人が危ないと言っている」と玉川氏に苦言。しかし、玉川氏は「韓国が大事にしないでくれと要請したのに、日本が動画を公開し大事にしたのではないか」となぜか伊藤氏に怒りをぶつける。伊藤氏は憤然としながらもレーダー照射の危険性や、行為の不当性を極めて論理的に説明する。
その中で、「韓国側から誠意ある回答がないため動画を公開した」と話す伊藤氏に対し、怒ったような顔を浮かべた玉川氏は「本当にそうなのか」と尋問するような質問を続ける。そして、「韓国側の回答を待たずに動画を公開したから意固地になった」「どちらが正しいかわからない」などと持論を展開した。
ゲストでありながら、なぜか高圧的な質問を受け続ける伊藤氏を見た羽鳥とコメンテーターの石原良純が玉川氏を批判するような素振りを見せ、機を見て話を変える措置を取ることに。伊藤氏は終始冷静に対応したが、「今後番組に出演しないのではないか」と見る人もいた。
玉川氏の発言については「意図がわからない」「韓国を擁護したいのか」と批判するネットユーザーが多かった。問題についての見解は個人の自由だが、日本の主張を解説するために招かれたゲストの伊藤氏に怒りをぶつけているとも取れる行為は、批判されても致し方ないと言わざるを得ない。
日本側に立った視点でコメントする八代氏と、「韓国が大事にしないでくれといったのに動画を公開したことも悪い」「レーダー照射は危なくない」と発言した玉川氏。どちらの意見が日本人から支持されているかは、言うまでもないだろう。
文・神代恭介