そんな世間の声を知ってか知らでか、フジテレビは“変わる、フジ 変える、テレビ”のキャッチフレーズでコマーシャルを大量に流した。しかし、この大事なコマーシャルに起用したのは、林修、坂上忍、梅沢富美男ら既視感のあるメンバーばかり。新番組に関しても、彼らがMCとなり“他局でもありそうな番組”が乱立する結果となった。個性が強く“最強”と呼ばれていた80〜90年代のフジテレビの姿はどこにもなかった。
「このコマーシャルが流れた時はSNSで“まったく変わってない”と辛辣なコメントが相次ぎました。視聴率が落ち込んでいたのは確かですが、伝説の番組を終了させてまでフジテレビがやりたかったのは“こういうことか”と、視聴者はガッカリしたようです。“めちゃイケ”を引き継いだ『世界!極タウンに住んでみる』が4か月で終了したことも大きな要因です」(芸能ライター)
しかし、坂上がMCを務める『直撃!シンソウ坂上』は、1993年に亡くなったアナウンサーの逸見政孝さんを特集した放送で視聴率9.5%を獲得(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。オウム真理教やロックバンドQUEENの特集を組むなど、“大人”に向けた番組作りで成功を収めるようになった。また、『梅沢富美男のズバッと聞きます!』や『林修のニッポンドリル』も10%前後の回が増え、多かったバッシングが消えつつあるのだ。
「『笑っていいとも!』の後番組『バイキング』にも同じ現象がありましたね。当初は視聴率が悪くバッシングの嵐でしたが、現在のようなワイドショー形式をとりはじめてから、徐々に視聴率がアップ。今や、視聴率で『ヒルナンデス!』(日本テレビ)に勝つ日もあり、内容に関する炎上はあっても視聴率に関しては誰も何も言わなくなりました」(同上)
フジテレビには『ENGEIグランドスラム』や『THE MANZAI』を手がける藪木健太郎氏(共同テレビに出向中)、『人生のパイセンTV』や『アオハル (青春) TV』(1月放送開始予定)のマイアミ啓太(萩原啓太)氏ら、“テレビ好き”には愛される個性的なテレビマンがいることでも有名。
2019年4月期の番組改編では、まだまだ坂上らに頼る番組が増えるだろう。しかし、このままでは同じ道をたどってしまうに違いない。かつてフジテレビがそうだったように、30〜40代の彼らのような有能テレビマンがバラエティで舵を取る日が来れば、フジテレビはよみがえる……そう願いたい。