若くして大金を手にし、後に事件や不祥事を起こす野球選手は、かなり多い。そこで今回は2019年に不祥事を起こしたプロ野球選手を見ていきたい。
・綾部翔(前横浜DeNAベイスターズ)
今年最も世間を震撼させたプロ野球選手が、横浜DeNAベイスターズの綾部翔(22)だ。妻がいる立場でありながら、女子高生、女性球団職員ら18人と不倫していたと報じられた。
ネット上には綾部が複数の女性に送ったLINEの画像が公開されており、それはいずれも「したい」「会いたい」などと行為を迫るものだった。さらに一部女性には自分の局部が映った画像を送信し、「触って」などとLINEを送った様子が確認できる。
綾部はこの事実が発覚すると無期限謹慎処分を受け、10月に戦力外通告を受ける。さらに同月、県青少年保護育成条例違反とポルノ禁止法違反の疑いで書類送検された。呆れた性癖で、全てを失ったのである。
DeNAについては乙坂智も未成年の交際相手とのトラブルで、警察沙汰になったことが判明している。観客動員数が大幅にアップし人気球団になったDeNA。儲けることができれば選手の不倫や不適切交際は二の次、ということではないと思われるが、選手の私生活が乱れすぎているといわれても致し方ない。
このような選手に一部に同情の声があることも驚きを禁じ得ない。また、球団も「トカゲの尻尾切り」をしたのみで再発防止策などは発表していない。
・奥浪鏡(元オリックスバファローズ)
オリックスバファローズ退団後、転落の一途をたどっているのが奥浪鏡だ。オリックス在籍中、免許停止処分中に乗用車を運転して事故を起こし、無期限謹慎の後に解雇されると、再起を目指し入学した関西メディカルスポーツ学院も長続きせず退部してしまう。
そして2019年、児童買春の疑い逮捕されると、5月には振り込め詐欺グループに加担し、80代の男性からキャッシュカードと現金をだまし取ったとして詐欺と窃盗の疑いで逮捕された。
今年9月、「無免許運転・児童買春・詐欺」の三冠王となった奥浪は神戸地方裁判所から懲役2年6ヶ月の実刑判決を受け、檻の中へと入れられた。
・鈴木尚広(前読売ジャイアンツ走塁コーチ)
現役時代、代走のスペシャリストとして尊敬されてきた鈴木尚広コーチだが、私生活では週刊誌上で妻へのDVが報じられた。
それでも野球解説者として柔和な笑顔を見せるなどして活躍し、2019年から読売ジャイアンツの一軍外野守備走塁コーチに就任。攻撃時には一塁コーチャーズボックスに立ち、巨人の優勝に大きく貢献した。
ところが日本シリーズ目前にした10月、突如「一身上の都合」で辞任した。その理由は、鈴木コーチのダブル不倫。週刊新潮には離婚係争中であるとはいえ、結婚している身であるにもかかわらず、タキシードを着た鈴木コーチと、ウェディングドレスを着た妻とは別の女性とのツーショット写真が掲載された。
私生活で重盗していた鈴木コーチは、事態が発覚する前にコーチ職から離れたのだ。同コーチは現在公の場から姿を消しており、一切の説明を拒んでいる状態だ。巨人もDeNA同様「野球で結果を残していれば私生活のゴタゴタはOK」という風潮が色濃く、原辰徳監督をはじめ、各世代の主力選手が女性トラブルを起こし続けている。
問題を起こし続けるプロ野球選手たち。いずれのケースも問題を起こした選手について球団が責任を取ることはなく、トカゲの尻尾切りで終わっており、不祥事を起こした「監督責任」は問われていない。
野球人としての教育は行うものの、一般常識や倫理は、選手任せとしているプロ野球球団。コンプライアンス遵守が求められる現代において、このままの管理体制で良いのか、考えていく必要がある。
文 神代恭介