たとえば、「下衆の極み」を英語で言うと“You're the worst of the worst!”。「おまえなんて最低の最低だ!」と言い捨てます。放送禁止用語ギリギリの線をいった強い相手を否定する表現です。
英語で言いたいけれど、いざ訳そうとすると、どう訳せばいいかわからない…そんな日本語はたくさんあります。特にこういった相手を罵倒する言葉の場合は特に難しく、場合によっては、日本語を英語に直訳してもネイティブにちゃんとこちらの気持ちが伝わらないこともあります。
面白い! 使いやすい! と発売当初から大好評の、デイビッド・セインさんの新刊『「ごちそうさま」を英語で言えますか?』(アスコム刊)から、言えそうで言えない、相手を罵倒する際によく使う日本語の英語訳をいくつか見てみましょう。
◆「がっかりだよ!」はドラマティックに“You let me down!”
日本語を英語に直訳した“I'm disappointed.” 「失望したよ」でも間違いではないのですが、ネイティブにはちょっと物足りないように聞こえるかもしれません。ネイティブがよく使うのが “You let me down.”。「落ち込ませる」や「裏切る」といった意味合いが含まれるので、日本語の「がっかり」により近い情動的な表現になります。
◆「ふざけんな!」は冷徹に“Very funny”
日本語を直訳して“Get real!”だと「現実を見ろ! 本気を出せ!」といった意味合いが強い表現です。応援しているニュアンスに取られてしまう可能性があります。ネイティブ流にいうなら、“Very funny.”がオススメ。「まったく面白くないんですが」とクールに言い放つと、言葉が凄みを帯びて、相手の心にぐさりと突き刺さります。
◆「ありえない!」は強く短く“Never!”
直訳の“It is impossible”「不可能です」では少々堅苦しく、気持ちがダイレクトに伝わりません。まったくもって、ありえない! と強い気持ちを込めて端的に言うなら“Never!”が適当です。
他にも、「やけくそ、のるかそるかだ!」や「バカにするな」といった罵倒表現、「おつかれさま」や「いってきます」といった日常生活で使う表現など、日本語ではよく使うのだけれど、英語ではどう言ったらいいかわからない言葉はたくさんあります。この本をチェックして、日本語で言いたい思いを英語でちゃんと伝えられるようになりたいですね。