「年収を上げるには数学力より国語力」と言われるように、日本語を話す力は、仕事を成功させ、給料を上げるのに必須の要素です。社内はもちろん、社外でも、あなたの能力や仕事ぶりは「話し方」によって示されます。
周りを見回してみると、仕事で評価される人の多くが、「話し上手」な人ではありませんか。「話し上手」であれば、特に優れた能力を持っていなくても、どんどん出世できてしまうこともあるといいます。それほど、「話し方」は出世に大きく関わる重要な要素なのです。
では、実際、どのように話せばいいのでしょうか。
ベストセラー作家・川北義則さんの最新刊『一流の人の話し方 二流の人の話し方』(アスコム刊)がいま売れています。この中から、どんな人とでもうまく話せるようになるコツを、一流の人の具体的なやり方を見ながら、3つほど学んでみましょう。
◆相手のツボをくすぐる「つかみ」のひと言を用意する
「お久しぶりです」「お元気ですか」の挨拶のあとの言葉が続かない…。一流の人は、この通り一遍の挨拶の前に、相手のツボをくすぐるひと言「つかみ」を入れます。例えば、子煩悩な人なら子供の近況をきいたり、ゴルフを趣味で楽しんでいる人なら最近のスコアをきいたりするなど、相手のプライベートに少し踏み込んだ話をします。前に会った時の会話や、他人から伝え聞いたことから、相手が好きなことや興味を持っていることを探って、会話が盛り上がりそうな話題を振るのです。そうすることで、相手が話しやすい状況を作り、その後の会話がスムーズに進むようになります。
◆聞き手に徹して、相手の話を引き出す
一流の人は聞き上手です。自分からは何も言わなくても、相手からどんどん話を引き出します。そして、相手との距離をぐんと縮めて、いつの間にか親しくなってしまいます。人は、自分の話を聞いてくれる人に好感を抱きます。一流の人はそのことを心得ているので、たとえ、「それは違う」あるいは「ちょっと同意できない」と思っても、決して相手の話をさえぎりません。忍耐強くとことん相手の話をきくことに徹します。相手との関係性をよくするのには、特に言葉は必要ないのです。
◆沈黙をおそれない。
一流の人は、会話の中で沈黙を大切にします。沈黙なくして、いい言葉は生まれないことを知っているからです。沈黙は、相手の置かれている状況や、相手が必要としていることがらを見極めて、自分の思いや気持ちが相手にいちばん伝わりやすい言葉を選ぶのに必要な時間。沈黙の時間を有効に使えば、不用意な言葉を発して相手を傷つけたり、不快にさせることがなくなります。さらに、相手の悩みを解決したり、的確なアドバイスもできるようになるので、他人に信頼されやすく、また、人徳も集まるようになります。
こういった、ちょっとした「話し方」の心がけ次第で、人間関係がスムーズにいくようになります。そうすれば、会社内でのあなたの評価は上がり、給料もアップし、人生もより充実したものになることでしょう。