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バラエティゲームの種馬 六代目・桂文枝

 元、桂三枝。昨年7月16日、大阪・なんばグランド花月にて、六代 桂文枝を襲名した。“いらっしゃ〜い!の三枝”として、およそ46年間にもわたって親しまれ、浸透していたため、尊敬する師匠である「ぶんし」となった今も、実感はわかないという。

 襲名記念公演は、2012年7月にはじまり、14年まで続く。もちろん、会場は全国津々浦々だ。のみならず、昨年12月には、フランスで2日連続のソロ公演も開催。創作落語を日本語で、同時にフランス語字幕を流すという、画期的な挑戦を試みている。

 今年70歳になるが、落語に必要な記憶力と集中力を失わないよう、1日24時間、努力を怠らない。朝はジョギング。食生活には細心の注意を払い、ウォーキングの最中はiPodで落語を聴く。脳を刺激するために、映画を鑑賞する。歌舞伎も観る。文楽も観る。当然、漫才からも吸収する。iPadでゲームもする。感性を研ぎ澄ますため、若者の流行も受け入れる。すべては、創作落語のクオリティを下げないためだ。

 還暦を迎えたと同時に、上方落語協会の第6代目会長に就任した(昨年、再任)。その3年後、かねてからの悲願であった上方落語専門の寄席・天満天神繁昌亭を、大阪市内にオープンさせた。

 関根勤がまだ欽ちゃんファミリーの一員だったころ、ラビット関根という芸名をつけたのは、三枝である。さらに、吉本新喜劇の長老・池乃めだかの芸名もつけている。そして、「たたいて、かぶって、ジャンケンポンッ!」や、「箱の中身は、な〜んだろな」といった昭和バラエティに欠かせないゲームを考案したのも、三枝だ。

 三枝の遺伝子。知らないうちに、テレビ業界や芸人が、しっかり継承しているのだ。(伊藤由華)

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