観客動員は第1戦が1万7468人、第2戦は2万1236人で、満員にはほど遠い入りだった。
今回の親善試合は日本人メジャーリーガーの出場もなく、シーズン終了直後とあって、若手選手主体のメンバー構成となったのが響いたもよう。ただ、テレビ視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は第1戦が15.2%(TBS系列)、第2戦が14.2%(テレビ朝日系列)とまずまずで、決して関心が低かったわけではなかった。
やはり、最大の問題点は入場料金の高さにあったようだ。キューバ戦の入場料金は、第1戦が一番高い席が1万2000円(最低3500円)、第2戦は最も高い席が1万円(最低3300円)と、野球の料金設定としては、かなり高額だった。
NPB(日本野球機構)は日本代表の試合で、しかも対戦相手は強豪キューバとあって、「入場料金が高くても客が入る」と読んだようだが、その目算は見事に外れてしまった。
今回の不入りは19日の実行委員会でも、「料金設定は適切だったか?」と議論され、次回の侍ジャパンマッチから料金値下げをすることが検討されるもよう。
そもそも、侍ジャパンの親善試合はWBC本戦での収益配分が少ないため、それを補うために実施されているものだ。せっかく、開催しても客が入らないのであれば、NPBもプロ野球選手会も何の得もない。NPBの読みが甘かったといえば、それまでだが、今後に向けて大きな課題となったのは事実だ。
(落合一郎)