同作は温泉芸者・夢子の小さな嘘が坂を転がりながら大きくなる雪玉のごとく大事件を引き起こす人情喜劇。「放浪記」、「おもろい女」とともに故森光子さんの3大作品として知られ、高畑によって9年ぶりに再演された。
「高畑にとっても代表作となりそうな作品で並々ならぬ意気込みだったが、森さんの作品ということで珍しくプレッシャーを感じていたようだ。そんな中、息子の不祥事の対応に追われ、本来ならばとても稽古どころではなかったはず」(演劇関係者)
高畑は裕太が逮捕された直後の会見で、舞台に立つことを「贖罪」と位置付け稽古に臨みいよいよ初日を迎えた。
報道をまとめると、高畑は昼夜2回の公演で滑舌よいセリフまわしと絶妙な“笑いの間”で主人公を好演。カーテンコールではスタンディングオベーションが沸き起こり、高畑は事件に触れることはなかったものの、「ありがとうございました」と何度も頭を下げ涙。客席からは「頑張って!」とエールが飛び交ったという。
「裕太の事件の被害者との示談金は1500万円と一部で報じられていたが、当初から示談の方向だったので、主催者側は公演を中止にしたり、代役を立てることは検討していなかったようだ。高畑自身、公演が中止になっていれば、億単位の賠償金を支払わなければならなかっただけに、初日公演ではこみ上げる物があり涙したのだろう」(芸能記者)
今後、12月初めの地方公演まで全国での公演となるが、どのタイミングで事件について触れるのかが注目される。