この二つのドラマは、終盤に差し掛かる今も依然、高視聴率だが、オリンピック期間中も『99.9』は平均視聴率17.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、『アンナチュラル』も10%前後と健闘した。
TBSは『逃げ恥』以降、顕著となった最近のドラマの好調の理由について、“企画先行”にシフトしたことを挙げている。要するに、キャストを押さえてから企画を練るのではなく、企画ありきで俳優陣をキャスティングしていくということだ。2016年よりこの方針を打ち出しており、それが功を奏している。
また、日本テレビは4年連続で年間視聴率三冠に輝いていることもあり、午後7時〜10時のゴールデンタイムでのバラエティの改変はほぼゼロ。強気の姿勢がうかがえる。
そんな中、寂しい結果となったのはフジテレビだ。フジテレビは「変わる、フジ 変える、テレビ」のスローガンを軸に、視聴率の低い番組は徹底的に排除した。結果、4月の改変率は約30%にも上り“先が見えない”状況が続く。
こんな状態に危機感を抱いているのは、タレントたちも同じだ。昔はフジテレビでレギュラーを張れるとなれば、地に足が付かないほど浮かれていたのに、今ではプレッシャーでしかないという。
「芸人さんたちの食事会で、仕事に話題が及んでも『フジテレビは…』と、ネガティブに捉える人が多く、見ていて辛くなります。最近のフジは新番組が始まってもすぐに打ち切りとなり、そうなれば少なからずタレントたちの名前にも傷がつく。業界内ではタレントのせいでないと分かっていても、視聴者は違いますからね」(テレビ関係者)
TBSが打ち出した企画ありきの方針は、“キャストありき”のフジテレビにとっては耳が痛い話だろう。