グアムとサイパンの間に浮かぶ、人口約3300人、伊豆大島ほどの面積のロタ島。太平洋戦争の戦火を免れた島には、今も手つかずの自然が残る。
島内には、グアムやサイパンのようなアミューズメント施設も免税店も信号機すらもない。かわりに、世界中のダイバーが憧れるという美しい海と、素朴で人懐っこい島民たちが待っていた。
ロタ島に降り立った瞬間、現地人になった気分がした。飛行場からの車中、対向車のドライバーがみな手を挙げて挨拶してくる。道ですれ違う美少女たちも目が合えば必ずほほ笑んでくれる。誰とでも友達になれる。これがロタでのマナー。
都会の喧騒を一瞬にして忘れさせてくれるのは、島民のホスピタリティーだけではない。世界一ともいわれる透明度を誇る海は、ダイバーたちに「ロタブルー」と称され絶賛されてきた。ロタブルーには指の間から白砂がこぼれ落ちるビーチが良く似合う。人が少ないため、どこのビーチへ行ってもプライベートビーチに来たような気分になれてしまう。島内にはゆったりした時が流れる。
海に入り食パンをまいた。島民譲りの人懐っこい南国の熱帯魚に取り囲まれた。天を見上げればさんさんと光り輝く常夏の太陽。横を見ればどこまでも続く地平線。日常という衣を脱ぎ捨てて身も心も裸になれる大人の楽園…といったら格好つけすぎだろうか。
パウダースノーのような砂浜で横になり、ロタブルーの中に落ちゆく夕日を眺め、島の魅力にとろとろに溶けてしまうまでもう何もしない…。そんなぜいたくが許されるパラダイスがここにある。神々が守り続けた島、ロタに恋をした。帰国するのはもうちょっと先になりそう!?
◎落書きだらけのイタメシ屋
島の中心地はソンソン村。警察署や病院などが集まるものの日本に比べればド田舎で、レストランを探すのにもひと苦労だ。炎天下、歩きに歩いて“蒸発”しそうになったころ、やっと見つけたのは島内唯一のイタリアン「ピッツァリア」。
ロタでイタメシ屋という物珍しさに期待が高まったが、まずは天井まで埋め尽くすほどの落書きにあ然。世界中の旅行客がこの店を訪れては自由に落書きをしていくというからロタの“看板店”には違いない。ビールは20種類以上をそろえ、魚介類を使った料理の味も上々。満腹になったところで、ウチもしっかりと名を刻んできましたよ、社長。えっ、字が小さすぎる!? 出張費返上ってそんなあ〜(涙)。
◎連休はチャーター直行便がお得
通常グアム・サイパン経由でしか行けない隠れ家的リゾート、ロタに今年から、大手旅行会社近畿日本ツーリストがチャーター直行便を始めた。空港での乗り継ぎがないため、貴重な休みを少しでも現地で満喫したい旅行者にオススメ。
さらに、3月にはあのガチャピン・ムックがロタ観光親善大使に任命された。日本の大人気キャラクターに仰天オファーを出したロタで一番偉いイノス市長にガチャピン・ムックのどっちが好きかを直撃すると「もちろん両方好きさ! ロタの子たちは最初ガチャピンを見たら逃げてたけどね、ハハハ、今は寄ってくるよ。で、緑と赤のどっちがガチャピンだっけ?」。南国らしい陽気さが魅力の市長でした。