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日航ジャンボ機墜落事故の真相(1)墜落後、中曽根首相はプールと人間ドッグ

 いま、巷で評判の本がある。1985年8月12日に発生した日航ジャンボ機墜落事故を扱った『日航123便 あの日の記憶 天空の星たちへ』(マガジンランド)である。この事故に関して鋭い斬り込みを見せる元JAL職員にして、著者の青山透子氏にインタビューを敢行した。

 リアルライブ「まずこういう本を書こうと思った動機はなんですか」

 青山「あの日航ジャンボ機墜落事故から25年経って、日本航空の社員でも、90%の人たちが事故を知らない世代になってきたんですよ」

 リアルライブ「なんと、90%の日航社員が知らないのですか」

 青山「ええ、そうです。90%です。(JALに入社後)私が所属していたグループで、仕事を教えていただいた先輩たちが、この事故機の客室乗務員でした。あの時、乗務員全員が墜落の瞬間まで乗客を救うことだけを考えて、そのうちのお一人が、事故のギリギリの瞬間まで、不時着のその先を考えたアナウンスを(メモに)書き続け、その手帳が事故現場で発見されたのです。特にお世話になった先輩の某さんは、新婚で結婚後初めてのフライトだったんです」

 リアルライブ「つまり人ごとではない、自分がお世話になった先輩方が、最後に命をかけて伝えようとした事故の真実を知りたいという気持ちが強かったんですね」

 青山「真実プラス、プロ意識ですね」

 リアルライブ「それはジャーナリズムの? それともJALの元関係者としてのプロ意識ですか?」

 青山「いわゆる(JALの)仕事としてのプロ意識を私が受け継いだ以上、ジャーナリズムとして、それを伝承したいという意図です」

 リアルライブ「つまり、JALの社員である以上に、ジャーナリストとして真実を今から広めていくのがご自分の役割だというのですね」

 青山「そうですね、はい」

 リアルライブ「身の危険とかは考えなかったんですか?」

 青山「ええと、この私の周りでですか? 一切ないです。というのは、私が書いているのは事実だけなので。真実というよりも、“真なる事実”ですよね」

 リアルライブ「他にも、日航ジャンボ機墜落事故に関しては、いろいろなジャンルの専門家がいろいろな説を唱えているじゃないですか。米軍が誤射したとか言ってる人もいます」

 青山「私は自分で見聞きしたもの以外は書いていませんので、他の説は知りません。だから恐らく真相は、総理大臣か運輸大臣とか、時のそういう、昔の方々しか知らないことかもしれない」

 リアルライブ「(当時の総理大臣)中曽根さんですよね」

 青山「ええ、そうでしょうね」

 リアルライブ「あくまで噂なんですが、中曽根さんが米軍の出動を阻止したとも囁かれています」

 青山「それはどうでしょうね。ただ、ひとつ言えることは、(青山氏が教鞭をとっている学校の)学生たちと、この事故の前後も含めて一週間後、首相の中曽根さんがどう行動したかっていうのを、新聞にある『中曽根さんの一日』という、首相の動静を書いた記事の部分をすべて逆読みしていくと一切、御巣鷹山に行かずに軽井沢でプールで泳いでいたり、ゴルフしていたり(笑)。他には、自分の人間ドックを優先させたり、ということで驚いたんです。私は学生に言われたんです。『先生、今こんな状態だったら、すぐ辞任ですよね』って」

 リアルライブ「今ならそうでしょうね。当時はそこまで情報のスピードが速くなかったですよね」

 青山「でも『中曽根さんの一日』はしっかり書いているんですよ。プールで泳ぐとか遊ぶとか」

 リアルライブ「今、ツイッターでリアルタイムに鳩山さんとか動きが分かりますが」

 青山「しかも、当時マスコミも、『何やってるんだ!』って騒がなかったんです」

 リアルライブ「誰一人、マスコミ陣が立ち上がらなかったんですね。悲しいことですね」

 青山「ですから、私の取材過程において、上野村の人に話を聞いたのですが、皆怒ってますよ。特に当時村長だった黒澤丈夫氏は、今でも怒っていらっしゃいました。
 これは本に書きましたが、あの日航機事故のすぐ後、8月23日に、イギリスで英国航空の子会社が事故を起こして、その際、当時首相のサッチャー氏は急きょ休暇先から駆け付けたのです。54名が亡くなりました。それと比較しても、首相の役割とは何かと強く訴えていました。さらに、どちらも国営航空(日航は当時半官半民で、政府が株を持っていた)ですから、株主としても当然でしょう。(中曽根氏がプールで泳いでいた)軽井沢と、墜落現場の上野村って隣ですよね。ちょっとすれば車で行けるところなのに」

 リアルライブ「車で数時間でしょうか」

 青山「そうですね。一度も(墜落現場に)来ずに。せいぜい11月くらいに息子さんと、選挙のためにちょっと顔出しただけっていうことでした」

((2)に続く)

青山透子(あおやま・とうこ)…宮城県出身。全国学芸コンクール、戯曲・シナリオ部門第一席、社団法人日本民間放送連盟会長賞受賞歴を持つ。日本航空株式会社に客室乗務員として入社。その後、日本航空客室訓練部のノウハウをもとに様々な企業研修を行う。全国の官公庁、各種企業、病院等の接遇教育インストラクターを経て、専門学校、大学講師。大阪国際花と緑の博覧会、愛知万博等の教育担当。

『日航123便あの日の記憶 天空の星たちへ』公式サイト
http://www.magazineland.jp/tenkuu/

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