「沈まぬ太陽」などの大作を押しのけ、結構ヒットした「なくもんか」。この映画での塚本は、主人公の祐太(阿部サダヲ)の弟である祐介(瑛太)とお笑いコンビを組んでいる「恩人のアニキ」という役どころ。重要な役ではあるが始終出っぱなしではない。しかし、わりと“地味目なキャスト”がメインだったので、塚本の出演はこの映画に大きな華を添えており、その価値は高い。「なくもんか」に続いて「釣りバカ日誌20 ファイナル」の出演も好評だった塚本、最近では老若男女に支持される役者になった。
塚本が「他の役者」よりも秀でた面がもう一つある。
3月17日に最終回を迎えたドラマ『曲げれらない女』(日本テレビ系)。このドラマのクライマックスのシーンで、主人公・早紀(菅野美穂)が産み落とした子どもを、片手で抱え、5分ほどの長セリフをいう塚本。さすが、私生活では2児の父、赤ちゃんの抱き方が上手い。いくら撮影用に借りてきたから生後2〜3か月の赤ちゃんだって、カメラに映るようにしっかり抱くのは難しい。これが、松山ケンイチあたりの独身俳優だと、おどおど不器用な手で持ち上げたり、抱き方が不安定でビービー泣かれたりと、それはそれで困難であろう。『曲げれらない女』を見ていた主婦層はこういう所を見逃さないのである。
「木更津キャッツアイ」あたりでアイドル的人気を集め、結婚して女性ファンが一旦離れたが、父親になって主婦やファミリー層にウケる塚本。本格俳優として一歩リードしたイケメンは、そりゃギャラも高いはずだ。
<コダイユキエ>イケメン好きの40歳独身女性記者