【雅道のサブカル見聞録】龍装劉備ガンダムがSDXで発売決定

　2008年からバンダイのSDガンダムシリーズ新ブランドとして商品展開を続けている『SDX』から、注目の新製品「龍装劉備ガンダム」が10下旬に発売される。

　今まで『SDX』の商品は、90年代前半に人気を博した組み立て式玩具“元祖SDガンダム”で特に人気のあったもを厳選して完成品可動式フィギュアとして販売するプロジェクトだった。だが、今回の「龍装劉備ガンダム」は少し状況が違う。元祖SDで発売されたことの無い、全く新しい製品なのだ。

　この龍装劉備ガンダムをSDXで発売するというのは特別な意味がある。ガンダムをデフォルメ化したシリーズ、“SDガンダム”は玩具、漫画、カードなどを主としたメディアミックス展開で、90年代前半には本家ガンダムシリーズを圧倒する程の人気を持っていた。だが、90年代後半に入ってから人気に陰りが見え始め、BB戦士や一部のガチャポン製品を残し、立体化される商品が激減。一時期は消滅の危機すらあった。その低迷期が続く中、2007年に現れて中興の祖となったのが、龍装劉備ガンダムも含まれる『三国志演義』をモチーフとしたシリーズ“SDガンダム三国伝”だ。

　これまで『SDX』は、大人になってお金の余裕が出来た90年代前半ブーム時代のファン向けに、比較的高めの価格帯で完成品商品を発売する形を取ってきた。が、今回は旧ファンには馴染みの薄いSDガンダム三国伝のキャラクター商品。これは旧ファンを再びSDガンダム新シリーズに引き戻そうという狙いがあるではないだろうか。現在SDガンダム三国伝は地上波でアニメを放送するなど快進撃を続けている。この流れに更にさらに拍車をかける為には、旧ファンの存在は重要だろう。

　この、SDガンダム三国伝の登場によりSDガンダムは昔の人気を取り戻し、再び精力的な商品展開をするようになった。今回のSDX進出が、SDガンダムシリーズにどんな影響を与えるだろうか、注目だ。(斎藤雅道)