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【新日本プロレス】圧倒的な支持率を背に内藤哲也、4年越しの1.4東京ドームメインに出場!

 新日本プロレスは9日、両国国技館で秋のビッグマッチ『KING OF PRO-WRESTLING』を開催した。この大会は、メインイベントとセミファイナルの試合結果で、来年1月4日に開催される『レッスルキングダム12 』東京ドーム大会のメインカードが決定する注目大会ということもあり、9,234人(満員)の大観衆を集めた。

 まず、セミファイナルには今年の『G1クライマックス』に優勝し、1.4ドーム大会でIWGPヘビー級王座に挑戦する権利証を獲得した内藤哲也が大ナイトーコールに包まれながら入場。今年シングルで2連敗を喫している石井智宏を相手に権利証の争奪戦(防衛戦)を行った。内藤が逆指名する形で実現したカードだが、石井の武骨さの中に秘めた柔軟性があるスタイルに、内藤はなかなかペースを掴めない。しかし、トップロープからの雪崩式ブレーンバスターなど、終盤になってから激しさを増す石井の猛攻を凌いだ内藤が、石井の隙を見逃さず必殺のデスティーノで逆転勝ちを収め、一足早く1.4ドーム大会のメインイベント出場を決めた。

 メインイベントでは、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカがEVILを相手に8度目の防衛戦を行った。オカダが後輩の日本人選手の挑戦を受けるのは、これが初めて。EVILは入場から不気味な世界を演出。場内からはどよめきが起こった。試合は、オカダの首に狙いを定めたEVILがパワーとラフファイトを巧みに使って主導権を握っていく。これに対して、「同じ相手には2度負けない」ことを信条にしているオカダは、先の『G1クライマックス』公式戦でEVILに敗れているだけに、場外のフェンス越しにフライングボディアタックを放つなど捨て身の攻撃でペースを取り戻す。終盤、レフェリーが誤爆から失神し、大量のイスがリング内に投げ込まれ、イスの上へのダークネスフォールズを狙われるが、ウラカンラナで切り返すと形勢が逆転。その後もEVILの粘りに手を焼きつつも、最後はレインメーカーで完勝。見事な横綱相撲を見せた。

 メイン終了後、オカダのマネージャーである外道が「ついに! 次は、東京ドームだな、オイ?相手はよ、あの制御不能男か?レインメーカーがよ、キッチリ、制御不能男をよ、完膚なきまでに制御してくれらぁ。オイ、内藤!オメェのことだコノヤロー!さっさとツラ見せろよコノヤロー!」とマイクで控室の内藤を挑発すると、大歓声が起こる中、内藤が笑みを浮かべながら現れリングイン。マイクを掴んで「両国へお集まり下さったお客様に、俺は聞きたい。EVILを倒したオカダと、石井を倒した俺、2018年1月4日東京ドーム大会のメインイベント、IWGPヘビー級選手権試合は、オカダ・カズチカ 対 内藤哲也でよろしいでしょうか?」と観客に問うた。これは、4年前の1.4ドームで全く同じシチュエーションで実現した同カードが、ファン投票の結果、当初予定されていたメインイベントからセミファイナル(正確にはダブルメインイベント第1試合)に降格した経緯があったことから、今度はファンの支持をしっかりと取り付けたいという内藤の思惑があったのは明らか。これに対してファンは、大ナイトーコールで後押し。この4年間で内藤がカリスマレスラーに変貌を遂げた象徴的な場面だった。

 「とはいえ!まだ3ヶ月も先の話なわ・け・で、いろいろなことを想像しながら、楽しみに待ってて下さい。2018年1月4日東京ドーム大会まで!トランキーロ!あ…」と内藤がその場を締めかけた絶妙なタイミングで「内藤さーん」とオカダがマイクで横やりを入れる。これには、場内からは大ブーイング。オカダ自身は、「強すぎるからじゃないですか」と分析しているが、最近のオカダにはブーイングが飛ぶようになった。これは、悪意のあるブーイングとは異質なもので、古くは故・橋本真也さん、最近では棚橋弘至が絶対王者時代に受けていたものと同じような“アンチ巨人”的な性質のものといえばわかりやすいだろう。

 両国国技館のファンは、7対3で内藤を支持していた。10日に正式発表された際に内藤は、4年越しの初メインイベントのカードがオカダ戦になったことについて「まさにデスティーノ(運命)ですよ」と素直な気持ちを述べている。今年の1.4ドーム大会では、オカダがケニー・オメガを相手に大激戦を制してネット中継を見ていた世界中のプロレスファンを大熱狂させた。オカダは内藤について「世界に響くという意味では内藤さんよりケニーの方が上」とバッサリ。今回の試合がキッカケになり、内藤が築いてきたトランキーロ旋風が日本や発祥の地であるメキシコだけではなく、アメリカやヨーロッパにも広がりを見せることができるのか注目である。

取材・文 / どら増田

カメラマン / 舩橋諄

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