大毅は昨年12・26さいたまで、同級14位のシルビオ・オルティアーヌ(ルーマニア)の挑戦を受け、2-1の僅差で判定勝ち。2度目の王座防衛に成功したばかり。この一戦では減量に苦しみ、王座返上につながった。
次戦はひとまず、1階級上のスーパーフライ級で試合を行なうが、大毅は「今年の目標はベストの体重を見つけること」と語り、2階級上のバンタム級も視野に入れる。
一方、兄で長男の亀田興毅(亀田=24)は、昨年12・26さいたまでのWBA世界バンタム級王座決定戦で、同級5位のアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)を破り、同王座を奪取。フライ級から飛び級して、日本史上初の3階級制覇を果たしている。興毅は大毅とは逆に、近い将来スーパーフライ級に落とすことを示唆している。
ここに、亀田ファミリーの思惑が見え隠れするのだ。
ベテランのスポーツライターのA氏は、「兄・興毅がいつまで、バンタム級でやるかによりますが、興毅がスーパーフライ級に転級した場合は、弟・大毅が空席となるバンタム級に飛び級して上げてくる可能性があります」と語る。
ボクシング界では連続防衛記録が大きなステータスとなるが、亀田ファミリーはそんなことには目もくれない。「兄弟でコロコロ階級を変えて、複数階級を制覇していくのが、亀田ファミリーの狙い。ですから、今後も安易な返上は続くでしょう」(前述のA氏)
大毅の防衛回数は2。興毅は3階級制覇しても、通算防衛回数はわずかに1。亀田ファミリーは防衛回数など意に介さず、ひたすら複数階級制覇を狙っていくことになるのであろう。
(ジャーナリスト/落合一郎)