同試合は9日深夜3時45分にキックオフし、NHK総合が生中継。常識的にはとても起きていられない時間帯だが、実に驚異的な視聴率(数字は以下すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)が弾き出された。
午前3時45分〜4時35分の前半が19.4%、午前4時50分〜5時の後半10分間が23.6%だった。ビデオリサーチ社の視聴率集計が午前5時で区切る仕組みから、同時刻以降の数字は週明けの13日に発表される。
前半の瞬間最高視聴率は前半41分(午前4時27分)の23.6%、後半9分(午前4時55分)に米国が追加点を挙げて2-0と差を広げた直後には、瞬間最高で24.8%と信じがたい数字を記録した。ロンドン五輪で深夜0時〜5時の間に開始された中継としては、むろんトップの視聴率。NHK総合の人気ドラマ「梅ちゃん先生」(午前8時〜)の同日の視聴率は20.6%。なでしこジャパンの未明の中継は、これをも上回り、同局のこの日の全番組のなかで1位だった。
同日には女子レスリング55キロ級の吉田沙保里、72キロ級の浜口京子が登場。吉田の準決勝まで放送したNHK総合の視聴率は21.2%と高視聴率を記録した。ただ、これは日付が変わる前の時間帯で、午前5時に23.6%をマークしたなでしことは比較にならない。吉田の決勝含みの放送は深夜0時10分からTBSが放送したが、こちらは4.9%だった。
また、同じく注目されていた女子バレー準決勝の日本対ブラジル戦は、テレビ朝日が午前3時5分から放送。一部時間帯でなでしこと重なったが、こちらは3.4%しか取れず、いかになでしこへの関心が高かったかが分かる。
準決勝までのなでしこの視聴率は1次リーグのカナダ戦(7月25日深夜1時〜=テレビ朝日)が11.8%、スウェーデン戦(同28日午後8時〜=NHK総合)が前半24.3%、後半30.2%、南アフリカ戦(同31日午後10時30分〜=TBS)が20.4%。準々決勝のブラジル戦(3日深夜1時〜=NHK総合)が前半18.2%、後半18.7%、準決勝のフランス戦(6日深夜1時〜=日本テレビ)が17.1%で、時間帯を考慮すると、決勝戦の視聴率がいかに高かったかが如実に分かる。
また、昨年7月18日午前にフジテレビが放送した女子サッカーW杯決勝の日本対米国の午前5時〜6時30分の視聴率は21.8%で、五輪決勝戦はこの数字をも超えた。
NHK広報では「ブラジル戦(3日深夜)は金曜日から土曜日にかけての放送だった。翌日の仕事などの心配をしなくていい人が多く、数字が上がった側面もある。(米国戦は)翌日が休みでもないのに、この視聴率は驚異的」と分析。未発表の午前5時以降については、「試合のクライマックスは5時以降。おそらく25%前後まで伸びているのではないか」(同)と推測している。
(落合一郎)