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調査委員の御利益?

 堀内恒夫氏(前巨人監督)が自民党公認で7月の参院選に出馬することになり、プロ野球の加藤良三コミッショナーは当惑しているのではないか。というのも、コミッショナーが任命した調査委員会の委員が2人続けて任期中に、全く予期せぬ転身を図っているからだ。

 野球協約に違反する重大な疑いのある出来事に関し、調査するのが調査委員会で、委員は3人だ。「任期は2年。再任を妨げず、本人の意思に反して任期中に解任されることはない」と規定されている。その内の1人は野球界を熟知した人物をということで、現場出身者から選ばれている。初代が前阪神監督の岡田彰布氏だった。が、ご存じのように、岡田氏はわずか1年のネット裏の充電生活を経て、オリックス監督に就任している。
 「岡田は2、3年間、評論家生活をした後に、阪神監督復帰だろう」というのが、球界の定説だった。それだけに、オリックスの監督要請を受けたことは、衝撃的な出来事として受け止められている。「阪神よりもオリックスを優勝させることの方が簡単やろ」と公言した岡田監督は開幕直後にはオリックス旋風を巻き起こしている。「阪神がダメな場合はオリックスでも行ける」と関西のマスコミは大歓迎。昨年、最下位だったチームをどこまで浮上させるか、その手腕に注目が集まっている。

 そんな初代・岡田委員に次いで、2代目の堀内委員は、さらに仰天する政界への転身チャレンジだ。わずか2年で終わった原第一次政権の後に巨人監督に就任した際に、「青天の霹靂だ」と堀内氏自身も語っているが、ファンはその時に勝るとも劣らない衝撃度だろう。岡田、堀内氏と相次ぐ調査委員のサプライズに、「調査委員会の委員になると、想像を絶する新天地が待ち受けているのか」。球界関係者の間でこうささやかれ出している。
 堀内氏が当選すれば、当然、第3の委員を決める必要がある。2度あることは3度あるというから、第三の男に注目が集まることになる。委員に就任する側からすれば、「調査委員は御利益のある幸運のポスト」とも言えるだろう。
が、コミッショナー・サイドからしたら、常に後任候補を念頭に入れておかなければいけなくなるから、かなり大変だ。調査委員にふさわしい人材となると限られているからだ。
 さて、番外の伝統の一戦だったともいえる、前阪神監督、前巨人監督の経歴を持つ2人の調査委員の後には、どんなキャリアを持つ人物が選ばれるのか。そして、3度目のサプライズがあるのか。今から楽しみだ。

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