直近22日のスワローズ戦では、奪三振は3つと少ないものの、「全球種を織り交ぜ、その中で良い球種を有効的に使い打たせてアウトを取ることが出来ました」と自己評価したように、ストレートを軸に、スラッターと伝家の宝刀・チェンジアップを駆使した、打たせて取るピッチングで打者を翻弄。7回を投げきり、ソロホームランの1失点のみに抑えるも、味方打線の援護に恵まれず残念ながら敗戦投手となってしまったが、先発としての仕事をしっかりとこなした。
今シーズンのピッチングを数字で追ってみると、奪三振率は8.83でリーグ2位。先発登板はジャイアンツ・今村信貴と並ぶ9回でトップタイ。投球回数はトップと2イニング差の4位、6回を3失点以下に抑えるクオリティスタート(QS)は7回をマークし、率は77.78%でリーグ5位。現在、4月15日のスワローズ戦から5月22日まで6試合連続QSを継続中である。昨シーズンは開幕からローテーションを守るも、QSは最初1回記録した後、8回連続6回を投げきれず降板していたことを鑑みると、しっかりと弱点を克服。チーム全体のQS率は27.66%と先発陣が踏ん張れない状況の中、孤軍奮闘と評しても問題ない内容だ。
自身初の開幕投手を任されながら、初回に炎上し3回で降板。その後も立ち上がりが安定しない状況が続き、4月15日まで3連敗してしまったことでの印象が色濃く残ってしまっている。何よりまだ2勝しか挙げられていない点も、イメージ的に好転しない元凶でもあるが、最近は安定感が増してきている。
昨年まで2年連続開幕投手を務めていた大黒柱の今永昇太も戦列に復帰したが、いきなり過度の期待は重荷。三浦監督が開幕投手の条件として挙げていた「一年間、しっかりとローテーションを守れる投手」に向かって必死に腕振ってきた濱口遥大。これからも今まで先発陣を引っ張ってきた左腕が中心となり、苦しむベイスターズを引き上げてもらいたい。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘