端正なルックスに加え「小泉王国」の正統後継者として地元での知名度は抜群。当初は圧勝が予想されていたが、ふたを開けてみれば目安とされていた夜9時を回っても当確が出ない。陣営幹部からは「何でこんなに時間がかかるの? もう胃に穴が開きそうだよ」との悲鳴が上がった。
詰め掛けた300人近い支援者や報道陣が歓喜の声を上げたのはそれから25分後。もみくちゃにされながら選挙事務所に入ってきた進次郎氏は支持者らの万歳三唱に何度も繰り返し頭を下げた。
「この世襲批判の中でも、厳しい自民党批判の中でも、それでもみなさんとともに万歳ができたのは、地元のみなさんのおかげです!」
その後も10回近く「みなさんのおかげ」を繰り返した。今後は具体的にどんな政策から実行したいかの問いには「国民生活のためならばどんな政策でもまい進していきたい」と、具体的な政策を一切語らないのは選挙戦から変わらない。
一方、5万4000票差まで追い上げた“あいのり候補”こと横粂勝仁氏(27=民主)は比例で復活当選。“あいのり”ならぬ“うまのり”になって当選を祝福した。
笑顔の横粂氏は「これで王国と呼ばれる場所に小さな小屋ができたかな」と、雑草魂をウリにした地道な選挙活動に手ごたえを感じた様子。「みんなで楽しめる村の方が私らしくていいかと思います。これから横粂村の横粂村民会をスタートするゾ!!」と打倒小泉王国を宣言した。(関)