20年近く歴代芸人たちのネタと時流を観てきたお笑いライブハウス・シアターDのオーナー矢野康弘氏は「過去の決勝進出者が少なく、誰が優勝してもおかしくない大混戦も予想される魅力的な大会。新しいスターが誕生する可能性も。コンビ芸に比べピン芸はその場の爆発力・瞬発力が高く評価される場合があり、テクニックや完成度だけでは占えない、その場にならないとわからないのがR-1の楽しさ」と今大会の展望を解説。さらに「決勝はテレビカメラの前での緊張感も影響するので、普段からテレビ収録で爆発力のあるピンネタを求められることの多いレイザーラモンRGはその点でいえば有利と言えますね」と分析し、また「最近の大会で安定した結果を残しているスギちゃんやヒューマン中村あたりも傾向からいえば期待は大きい」と予想。
フリーライターの伊藤雅奈子氏は、「正直、レイザーラモンRGとスギちゃん以外は知名度が低いです。ある意味このメンバーでゴールデンタイムを飾るのは画期的ですね。知名度の低い芸人が優勝すれば、相当盛り上がると思います」と今大会の印象を解説。また、やまもとまさみが所属する佐藤企画、TAIGAが所属するオスカープロモーション、じゅんいちダビッドソが所属するアミー・パークに関して、「お笑い系としては大手事務所とは言い難い事務所から決勝進出したことは評価したい」と賛辞を送った。そして注目の芸人については、馬と魚とヒューマン中村の名前を挙げた。「馬と魚は今年、『ダウンタウンのガキの使いあらへんで』のワンコーナー『山-1グランプリ』で優勝し、ダウンタウンを爆笑させた実績があります。同世代の芸人からも高評価されており、『野放しにしたら売れてしまう』とビビられていますね。もう一人のヒューマン中村は、去年優勝できなかったので、今年優勝してもおかしくないですね。孤独な彼が弾けた時の爆発力は、脅威となるでしょう」と予想。
そして、リアルライブ編集部が最も注目する芸人はバイク川崎バイク(BKB)。キャラクター、決めフレーズ、ハイテンション芸は観る者を笑いの渦に巻き込むことは間違いない。また、RGやスギちゃんと比べるとテレビ慣れしていないが、それ以外の決勝進出者と比べるとテレビでの露出度は高いため、良い緊張感の中で実力を発揮できるはず。ただ、不安材料もある。キャラが固定されるが故に、Cブロックを勝ち抜いて最終決戦に上がった際、同じようなネタになってしまうこと。最終決戦で披露する用の秘策があれば、チャンピオンに輝く可能性は高い。
12人の芸人たちの壮絶なお笑いバトルが、間もなく始まる。