「現在の相撲協会は汚い。たとえ私が戻れたとしても今のままでは我慢できない。何をされるか分からない。幕内に上がれたら、無理やりにアンフェアな取引をさせられ、お金を渡された。断ったりすると、かわいがりをするぞと言われた」
大麻吸引で警視庁に逮捕され、その後釈放された元若ノ鵬は29日の会見でこう語った。この発言にショックを隠せないのが相撲協会。というのも、協会は現在、八百長報道をした週刊現代を相手取って名誉毀損の民事訴訟を繰り広げているからだ。しかも、元若ノ鵬はよりによってその法廷で八百長の存在を証言するという。
「相撲協会側としては相当な痛手でしょうね。そんなことが広まれば、大相撲の土台が揺るぎかねない」
と相撲関係者は懸念する。さらに続けて、
「若ノ鵬は逮捕、釈放後、大相撲への復帰を願って断られた。その報復として証言したと裁判官が受け止める可能性もある。100%信憑性があるとはいえない。その証拠に、幕内の若ノ鵬にかわいがりをするという発言は額面通り受け止められない。彼は本場所の土俵で相手を拳骨で殴るような乱暴者。日本人力士にも馬鹿外人として相手にされなかったんです」
過去にも八百長告発を行った力士がいる。元小結の板井である。彼は外国人記者クラブで八百長について講演した後、行方を絶った。
「一説には協会と手打ちをして、これ以上八百長告発をやらないということで、和解したとも噂されている。現在はちゃんこ屋経営で生計を立てているといわれるが、自分の名前は出していない。報道陣の追跡取材を避けるためだというのがもっぱらですね」(前出・相撲関係者)
それほど元力士の八百長告発は単純ではないうえ、元若ノ鵬の動機も不純なのだ。
「大相撲復帰を断られた刑事被告人の証言に裁判官の心象が左右されるわけがない」と協会関係者は声を荒げる。大麻事件についても、元若ノ鵬の言い分はムシが良すぎる。大相撲の看板に泥を塗り、その謝罪に出向いたかと思えば復帰を断られると掌を返した。
「もし、そのまま復帰を認められていれば、彼は何も喋らなかったはずです。その意味では、今回の発言は相撲協会への揺さぶりとも受け取れる。裏で何か取引しているのではないかと受け取られても仕方ない状況にある」(スポーツ紙記者)
週刊現代側は以前、若貴兄弟の母親である藤田憲子さんに八百長証言に立つよう依頼して、断られたいきさつがある。
「証人出廷するのは国民の義務と週刊現代は詰め寄ったが、彼女は無視した。そんなことをしたら、貴乃花親方が廃業すると言ったからです。それほど、八百長の根は深い。藤田さんが証言すれが、メガトン級のインパクトがあるが、不良外国人が法廷で何をほざいても、裁判官は左右されないでしょう」(前出・同)
それにしても、不良外国人に大相撲の伝統を汚され、看板にケチをつけられた相撲協会幹部の責任は重い。
「若ノ鵬だけじゃない。露鵬、白露山もいますからね。相撲協会は頭が痛いはずです。武蔵川新理事長がどんな采配を振るうのか、注目されるところです」(相撲関係者)
この騒動、解決するには時間がかかりそうだ。
○日本相撲協会サイドはノーコメント
ロシア出身の元力士、若ノ鵬が八百長疑惑報道で講談社側に証人として出廷する意向を示したことについて、日本相撲協会サイドは、ノーコメントを貫いた。
この日、朝青龍との打ち合わせをすべく国技館を訪れた吉川精一弁護士は「前から決まっていた打ち合わせ」と話し、若ノ鵬の会見とは無関係であることを強調した。さらに、内舘委員も「横審の席上では全く出ていません。信ぴょう性も疑わしいし、今、横審が問題にしたりするようなことではない」とピシャリ。